MMAでの試合決定を伝えた青木)

 日本最高峰の強豪・青木真也のMMAマッチが決定した。自身のnoteに記していたが、8月1日の修斗・後楽園ホール大会の開場前、あらためて取材の囲み取材を受けて語ったもの。

 青木はコロナ禍の中、4月に『Road to ONE』でグラップリングマッチを行なっている。またプロレスではDDTのリングでEXTREME級王者として活躍。そして今回、いよいよ“本業”ともいえるMMAに乗り出す。

 対戦相手はまだ未定だが、時期は「9月前半」。時期的に海外への渡航も難しいため、国内での試合になりそうだという。

「このままだとしんどい。それは僕だけじゃなく。待っていても進まないので。関係各位の協力を得てやりたいと思います」

 実力を考えると、国内で青木のMMAの相手を探すのは難しい。青木は「言うたら全員、顔じゃない。そこはあんまりワガママ言えない」とした。

 コロナ禍で試合をする難しさについて、青木はこう語っている。

「結局、やればやるほど痛む。今の格闘技界は全部、奇策だと思ってるんですよ。奇をてらってる。俺から言わせたら(格闘家の)YouTubeだって奇策だから。当たり前に格闘技をやる、当たり前に大会をやるっていうことが誰一人としてできていない。それにマスコミも疑問を言わない。それが僕の中でも疑問だから。当たり前のことを当たり前にやりたい。本来の芸事のあるべき姿で。体張って真剣にやりたいと思いますよ」

 自分から動くことの大事さも、青木はこの取材で語った。

「僕や那須川天心は試合をしたけど、みんな口あけて待ってるだけじゃないですか。業界のごっちゃん体質が出たと思う。悲しいほどに格闘家じゃんって。それは芸事やる人の正しい姿じゃない。“そういうことじゃないんだよな”ってことも散見されて。武尊皇治の話もそうだし。そういう意味で、本来の格闘技をやっていきたい」

 いま試合をするのは、損得でいえばやらないほうが得だと青木。それでもやりたいという思いが青木を動かしている。

「これをやらなければ満足が得られない。であればやらざるをえない。好きですからね、これが」

 どの団体も、これまで通りの形では大会ができていない。無観客試合、クラウドファンディングなど、さまざまな形で“生き残り”のために闘っている。青木はそういう“諸事情”にとらわれないものを作っていきたいのだ。

「みんな辛いっすからね。大きいテーマとしてあるのは、俺たちだけがいじめられてるわけじゃない(笑)。2007年にPRIDEがなくなった時って凄い楽で、俺たちだけいじめられてた、割を食ってた。そこで『やれんのか!』がキュッといったわけで。でも今は俺たちだけが辛いわけじゃない」

 そんな中で、青木は試合を通して何を見せたいのか。

「人の感情を揺さぶりたいってことですよね。ずっと言ってるんですけど、格闘技は必要なかったらなくなると思ってるんで。必要ないならなくなっていいと思ってる、本気で(笑)。だから“格闘技を残すために”“この文化を残すために”というのはちょっと違う。残るものしか残らない。だからこそ格闘技が残る自信があるというか。その強い信念があるから、僕は大丈夫だと思ってます」

 青木真也が見せる、信念を持った“当たり前の格闘技”。その全貌が明らかになれば、また業界に大きなインパクトを与えることになるはずだ。

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