7月31日にタイ・バンコクで開催されたONEチャンピオンシップ「NO SURRENDER」で、キック、ムエタイ、MMAの3冠を目指すスタンプ・フェアテックスが総合格闘技ルールでの復帰戦に登場。スニーサ・スリセンを相手に、首相撲でヒザの連打、バックマウントでのパウンドなど、終始圧倒して1ラウンドTKO勝利を収めた。
スタンプは2月28日のシンガポール大会でONEアトム級キック王座をかけジャネット・トッドに判定負けを喫して王座を陥落しており、女子アトム級でキック、ムエタイ、MMAの前人未到の3冠へ向けた仕切り直しの一戦となった。
一方、対戦相手のスリセンは19歳、レスリングベースで3戦と経験は浅い。ABEMAで解説を務めた大沢ケンジが短い練習シーンのビデオをみて「今のミット打ちを見るとスリセンはちょっと不安ですね…テイクダウンとれるかな」と漏らすと、その予想は的中する。
試合開始とともにローを数発もらったスリセンはあっと言う間にスタンプに首相撲で掴まれヒザの連打を浴びる。スリセンも必死で引き込もうとするが微動だにしないスタンプのヒザを次々と浴びてしまう。
あまりに一方的な展開に視聴者からは「ひざひざひざひざ」「エグい膝」「ヒザ地獄」と悲観的な声が上がり、大勢を占めた。中には「実力が違いすぎる」との指摘も。
一度はブレイクするものの、スタンプの左右の連打から再び首相撲。ヒザの連打、サイドからテイクダウンを奪われたスリセンは、スタンプのパウンドを容赦なく被弾。耐えきれず亀になると、スタンプはバックマウントの体勢のままパウンドを振り下ろし続けた。全く反撃できずに防戦一方のスリセンを見たレフェリーがほどなく試合を止めた。
わずか1R・3分57秒の完勝。スタンプの次期対戦者候補にも挙がっている平田樹は「あまり参考になりませんでしたね」とコメント。試合前にスタンプについて「寝技ができるようになって来ているのは気になります」と、現在のスタンプの寝技の熟達ぶりなどを注目点に挙げ、レスリングを得意とするスリセンからヒントを得ようとしていたのか、落胆した様子は隠せず「あんな相手ではダメ」とポツリ。
それでも映像を見ながら「早く試合をやりたいですね。下がったときに投げもできるし、(パウンドを)決められる前にブリッジをして逃げれる。(自分なら)行けるチャンスはあると思います」「距離感が打撃の距離なので、そこをどう詰めるかと、首相撲をしないで投げちゃった方がいいと思った。足技も行けるのでイメージはできました」と攻略に向けた展望も明かした。
スタンプ本人も「樹と私の試合になると嬉しい」とラブコールを送るなど意識しはじめており、状況が許せば実現しそうなカードに平田も「寝技では負けたくない。(心を)折るレベルで行きたい。MMAでやるなら圧勝で勝ちたい」とすでに臨戦態勢。
スタンプとの対戦についてポジティブに話してくれた平田だったが、その後自身のツイッターでは「なんだよ!! わかんねーじゃん!」と収穫が少なかったこの試合について本音をつぶやいていた。