わずか1R 24秒、元王者の鋭い右フックが見事にアゴを打ち抜くと、天井を見上げるように倒れた敗者のもとに、ドクターが駆け寄った。
8月1日に後楽園ホールで開催されたプロフェッショナル修斗「修斗 2020 Vol.5 Supported by ONE」で、元王者の黒澤亮平が、木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅をわずか24秒、右フック一発で沈めて勝利。昨年復帰した元王者が目の覚めるような勝利でタイトルへ向けて猛アピールをした。
元ストロー級王者・飛鳥拳の名で活躍、昨年本名で復帰した黒澤。復帰3戦で2連勝するも9月の大会は判定で敗れている。対戦する木内との対戦は、中止となった3月の大会からスライドとなるカードだ。木内も昨年9月の「Road to ONE:CENTURY」のKO勝ち以来、11カ月ぶりの試合となる。
試合は1R序盤、木内が遠距離から左ミドル。軽くプレッシャーをかけた黒澤が左のインロー。下がりながらケージに沿ってまわる木内に対し、もうひとつ黒澤の左インローが入る。左のロングジャブの出し入れも速い。
一度距離をおいた黒澤がひと呼吸を置いて左ジャブからの強烈な右フック。さらに左フックを振るうが、右フックをアゴに被弾した木内は既にマットに崩れ落ちていた。
わずか24秒のKO劇にこの日、ABEMAでゲスト解説を務めたV.V Meiも「今日はゾンビにはならなかったですね…」と語り「アゴを完全に振り抜かれてます。これは仕方ないですね」と振り返った。
試合後マイクをとった黒澤は「すごく強くなっているので、箕輪チャンプにつながる試合をします」と現世界ストロー級王者の箕輪ひろばを意識しつつ、「もう一度チャンピオンになりたいのでランキング上位の選手とやりたい」と次戦へ向けて意欲を示した。
一方、敗れた木内は試合後ツイッターで「惨敗。ここまでかと思ってしまうけど、ここまで来れたんだから、と自分に言い聞かせる。ゾンビなら、また立ち上がれるはずだろ俺」と再起を誓った。
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