8月10日夜、2014年の香港の民主化デモ「雨傘運動」を主導した学生団体の元幹部、アグネス・チョウこと周庭(しゅう・てい)さんが国家安全維持法違反の疑いで香港警察に逮捕された。
【映像】香港警察に逮捕・護送される周庭さん(23)の姿(1分40秒ごろ~)
「恐怖感に負けずに引き続き自分の信念、私たちが信じている自由と民主主義のために戦っていくことがとても大事だと思っています。これからも一生懸命香港人の自由そして民主主義を守るために頑張っていきたいと思いますので、日本の皆さんも世界の皆さんも私のことだけではなく他の香港の若者たちのことにも注目していただきたいと思っています。ありがとうございました」(周庭さん)
周さんはこれまでも流暢な日本語を使い、日本に対しても運動への支持を訴えていた。違法集会を扇動した罪などに問われた裁判で有罪判決を受けていたが、今度は、国家安全維持法に違反した疑いで逮捕された。また、香港警察は、中国に批判的な論調で知られる新聞「リンゴ日報」の創業者・黎智英(れいちえい)さんなど、周さんを含め男女6人を逮捕。周さんらを逮捕した理由について、香港警察は「外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた容疑を適用した」としている。
はたして民主化を訴えることは、国家の安全に危害を加えることなのだろうか。“民主化運動の女神”の逮捕にTwitterでは「#周庭氏の逮捕に抗議する」「#Free Agnes」といったハッシュタグがトレンド入りした。
SNSでも「民主化を訴えるだけで逮捕。戦前の日本と同じ。大好きな香港から自由が失われてしまった」「彼女はたったの23歳。日本のアイドルや邦楽を愛する普通の女の子が人権自由というごく当たり前の権利のために声を上げただけで無期懲役を受けかねない。こんな理不尽な国があってたまるか」などの声が相次いでいる。
6月末、自身のTwitterに「絶望の中にあっても、いつもお互いのことを想い、私たちはもっと強く生きなければなりません。生きてさえいれば、希望があります」と書きこんでいた周さん。
「一国二制度」という複雑な社会で育ってきた香港の若者たちに今、この言葉はどう響くのか。周さんは、日本人に向けて発信した最後のツイートでこう呼びかけている。
「日本の皆さん、自由を持っている皆さんがどれくらい幸せなのかをわかってほしい。本当にわかってほしい...」
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