国家安全維持法違反の疑いで10日に逮捕され、約25時間後に保釈された香港の民主活動家・周庭氏。「これまで4回逮捕された中で一番怖かった」という拘束中、周庭氏の頭をよぎっていたのは欅坂46の曲の歌詞だった。
「拘束されている時に、『不協和音』という日本語の歌の歌詞がずっと頭の中で浮かんでいました」(周庭氏)
「不協和音」の歌詞は、同調圧力に屈することなく、沈黙せずに最後まで抵抗し続ける、不協和音を恐れず自分の正義のため既成概念を壊せと訴える力強い内容だ。この歌詞通り、周庭氏は沈黙することなく保釈からわずか1日で、インターネットの動画投稿サイト「YouTube」で動画を配信した。
「ハロー。日本の皆さんこんにちは、アグネスです。このライブを見てくださって本当にありがとうございます」
広東語と日本語で語った周庭氏。逮捕当時の心境や日本から支援の声が集まったことに対し、次のように語った。
「心の準備が全然できていないまま、いろいろ現状を把握していないまま逮捕されたというか。本当に不安というか、怖さがとんでもないし、拘束されている時に色々考えましたね。拘束されている時に、日本の皆さんも香港市民の皆さんの応援もすごく感じられたし、弁護士の方から『アグネスのことを日本人が沢山応援しているよ』というメッセージが届いたので、本当に本当にありがとうございました。ネットやTwitterでいろいろ読んで、本当に感謝の気持ちがいっぱいです」
周庭氏は、今後起訴される可能性にも触れた上で香港情勢について、こう呼びかけた。
「保釈されたんですけども、これから起訴されるかどうか、収監されるかどうかわからないので、日本の皆さんは引き続き、香港のことに注目していただければと思います」
最後は「ばいばーい」と笑顔で締めくくった周庭氏。しかしYouTubeが規制されている中国国内では、今回の動画を閲覧することはできない。日本語で呼びかける周庭氏の行動に対して、中国のSNS上では、「日本からの助けを欲しくて、周庭はずっと日本人に助けを求めていた。情けない」「周庭は、ただ日本の同情を引いているだけだ」など、批判的な声もあがっている。
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