8月いっぱいでの閉園が決まっている都内の遊園地・としまえんで、DDTが2度目の路上プロレスを8月27日に開催する。しかも今回は“邪道”大仁田厚が参戦しての「路上電流爆破デスマッチ」となる。企画するDDTもDDTだが、この無観客試合を「さよならとしまえん」公式イベントにしてしまうとしまえんも相当なものだ。
マッチメイクは大仁田厚&高木三四郎&クリス・ブルックスvs青木真也&竹下幸之介&宇野薫。もともとプロレスファンではあるものの、総合格闘技の大ベテラン・宇野の参戦も超異色と言っていい。
13日にはとしまえんのメリーゴーラウンド前で屋外記者会見を実施。ここには高木、青木が出席し、大仁田はリモート出演している。
この顔合わせ自体もレアだったが、そこでさっそく仕掛けたのが青木。
「最近の大仁田厚、トラブルを抱えてるなと。もう8度目の引退をさせるしかないでしょう。負けたら引退を要求したい」
これに大仁田は「8度も9度も10度も一緒じゃ!」。要求受諾ということで、この一戦は「大仁田厚負けたら即引退SP」として行なわれることになった。
だが大仁田も青木に「おまえは何をかけるんじゃ!」逆要求。青木はすかさず「5000万円」と答えるのだった。しかしそれは「(DDTを運営する)サイバーファイトが用意しますんで」。そこに乗っかった高木も思わず「準備します……」。
大仁田は8月29日にも佐藤光留主催興行での試合を控えているだけに、もし敗れることがあれば欠場ということになってしまう。あるいはそこで「8度目の復帰」があるのか。
だがもちろん、大仁田に負ける気などサラサラない。試合への自信を聞かれると「としまえんは親父と初めて行った遊園地じゃ。俺の庭みたいなもんじゃ!」。
一方、青木も10年ほどとしまえんの近隣に住んでおり「家族と一緒の時も一人になってからもこの辺で。いろんな思い出が」としんみりする場面も。しかしそれも含めて“ホーム”だけに負けられない。盟友ともいえる宇野については「あてにならない」としつつ、会見から大仁田と主導権争いを繰り広げてみせたのだった。
爆破量5倍とも言われる今回の爆破マッチ。会見は開始直後にゲリラ豪雨に見舞われ、選手が傘をさしてコメントするというシチュエーションに。文字通り嵐の予感がするとしまえん路上電流爆破なのだった。
文/橋本宗洋