8月15日、丸の内ピカデリーでにて映画『弱虫ペダル』公開記念舞台挨拶が行われ、主演の永瀬廉(King & Prince)、伊藤健太郎橋本環奈、坂東龍汰、栁俊太郎、菅原健、井上瑞稀(HiHi Jets/ジャニーズJr.)、三木康一郎監督が登壇した。

この記事の写真をみる(3枚)

 同作は、2月初旬にクランクインし、順調に撮影を続けていたが、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う緊急事態宣言を受け、中断。宣言解除後6月に入ってから細心の注意を払いながら撮影を再開させ、クランクアップし、8月上旬に無事完成を迎えた。そんな、本作の完成と公開を受けて、永瀬は「撮影中は撮り切れるか心配でしたが、無事初日を迎えられて、皆さんのもとに届けられたこと、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです」と心境を語った。

 キャストがハードな練習を積み、自転車シーンは一切CGなしの熱量・青春感で話題を呼んだ本作。思わず目頭が熱くなる、胸にぐっとくる感動ストーリーも見どころの一つということで、 “あまりの感動に思わず泣いてしまった”“ぐっときた最近のエピソード”について問われた。永瀬は「この作品の試写会をKing & Prineのメンバーと一緒に観たのですが、その時メンバーが『2時間飽きずに観れた』『泣きそうになった』とか言ってくれたことがすごく嬉しかったです。(髙橋)海人に関しては、『3回ぐらいは泣いた』って言ってくれましたけど、普段から良く泣くタイプなんで嬉しくはなかったです(笑)」と会場から笑いを誘った。そして「メンバーの温かい言葉に本当にぐっときて、撮影頑張ってよかったな、と思いました。」と改めて振り返った。伊藤は「車に乗って信号待ちをしている時、目の前の横断歩道をゆっくり渡っているおばあちゃんがいたのですが、後ろからおじいちゃんが来て、手を繋いで引っ張っていくご夫婦の姿に微笑ましくて心が温かくなって、感動しました。」と語ると、すかさず永瀬が「作り話じゃないよね⁉」と突っ込むと伊藤は、「ちょっと前の本当の話」と笑いながら返した。坂東は、「自分が出演した番宣番組を栁さんと見たくて連絡したら、家でしゃぶしゃぶを作って待っててくれて嬉しかった。」と打ち明けた。すると、栁は「お前のために作ったわけじゃない!俺は元々その日は、しゃぶしゃぶを食べたくて自分の為に用意してたんだよ!」と返すと、坂東は「まず電話で何食べたい?って聞いてくれて、家に行ったら、しゃぶしゃぶ作ってくれてたよ!」と、2人の異なる主張に会場からは笑いが起きた。

拡大する

 橋本は「私、涙腺弱くなくて、小さい時から卒業式とか行事に泣かないタイプだと思っていた。最近、『はじめてのおつかい』とか見て泣くようになって涙腺が弱くなってきた気がする。子供が頑張っている姿がすごく好き。今年のはじめ、甥っ子が産まれたのもあって、精一杯ハイハイしている姿にも感動してウルっとしちゃいますね。」と暖かいエピソードを明かすと…栁も「俺も一緒。姪っ子が可愛くてグッとくる。姪っ子の動画を見て日々成長していく姿が可愛い。」と嬉しそうな表情を見せた。

 菅原は「母親から先日お姉ちゃんが結婚するって連絡が来た。2人兄弟なので『違う人の奥さんになるんだな』と思ったらぐっときました。」井上は「撮影中、僕が皆さんより年下だったので、緊張して不安でしたが、坂東くんや栁さんが気さくに声をかけてくれたことに愛を感じました。おかげで現場で馴染むことができました。」と感謝の気持ちを伝えた。すると、坂東は「一緒にホテルでカラオケをした時、スピッツの『チェリー』を歌ったの楽しかったよね。」と撮影現場の思い出を語った。監督からは「この作品の編集・ダビングをしている時に後ろで観ているプロデューサー陣が何度も観ているのに毎回泣いているのが気持ち悪かった。」と話すと、永瀬が「監督は思っていることと逆のことを言いますからね。すごく良かったな、って思ってるはず。」と照れ屋な監督について話した。

 さらにここで、公開まで数々の困難と怒涛の宣伝を乗り越え、主演として引っ張ってきた永瀬へ、そんな照れ屋な監督から感謝の持ちを綴ったサプライズの手紙が贈られた。

▼三木監督からの手紙

手紙を書いてくれなんて言われて、何書いていいかよくわからないけど、まあ、思ったことを、つらつらしたためてみます。

初めてあなたと会った寒かったあの日、僕が言った言葉を覚えていますか?「この作品は誰のものでもない、あなたの作品です。参加すると言う発想は捨てて、映画を作る責任を背負ってほしい」そんな感じのことを言ったと思います。若干21歳、映画に

出演するのはこれで2回目、演技の経験も少ない、ましてや、自転車という特殊な環境で芝居をしなきゃいけないあなたに、

とんでもない要求をしたと思います。普通なら、自分のことに集中してください、となるのですが、僕はあなたに作品全体のことを考え、役者やスタッフを引っ張っていって欲しいと要求したのです。

この「弱虫ペダル」と言う作品は、永瀬廉でなければ完成しなかったと思います。あなたが自らの行動と情熱で皆を引っ張っていったから完成したと、今、心から思っています。伊藤健太郎の存在も大きかったでしょうか、彼と競い合い、共に目標に向かう姿は

この作品の成功を感じさせました。

今回のあなたの姿や総北メンバーを見て、つくづくお芝居とは、テクニックではなく、「想い」なんだと痛感しました。どれだけ本気か、どれだけ努力したか、どれだけ真摯に向きあったか、そしてどれだけその作品を愛しているか、その「想い」は、上手い下手を超えて

必ず見ている人の心を動かす。今回、あなたの弱虫ペダルに賭けた「想い」は、しっかり映画の中に映し出されていると思います。

そしてそれは必ずや見ている人の心を打つことになるでしょう。

あなたと共に駆け抜けた10ヶ月、苦労もありましたがとても楽しかったです。僕自身、自転車を撮影するという新しい挑戦で、たくさんのプレッシャーに押しつぶされそうなこともありました。しかし、あなたの真っ直ぐ未来を見据える瞳に、何度も助けられました。できる!やろう!その声に励まされました。本当に、本当にありがとう。

最後に今後、たくさんの映画やドラマに出演されると思います。今回のその情熱があれば必ず成し遂げられると思います。

真摯に取り組む姿勢、努力、作品を愛する心。それを忘れないで、さらに大きな舞台に羽ばたいていってください。

 監督からの熱いメッセージに会場は温かい空気に包まれた。永瀬と共に撮影を乗り切った伊藤からは「僕が泣きそうになっちゃった。嬉しいよね。」と話すと永瀬は、「最近ぐっと来たエピソードこれにします。5行ぐらいで終わると思ったら、すごくたくさんのメッセージが詰まっていて、改めて監督の愛を感じました」と目に涙を潤ませながら監督への感謝を語った。

 橋本からも「私もてっきり5行ぐらい、笑いに走るのかと思ったらスクリーンにも良い写真が出てきてすごく感動しました。自転車競技というものを通して、皆が一生懸命走っている姿を近くで見ていたので、今の手紙も含め、青春と感動が詰まっている映画になっているんじゃないかなと思いました。」と本作について改めて振り返った。

 そして、改めて永瀬は、「すごく過酷でしたが、お互い助け合いながら、支え合いながら撮影できる現場って中々ないと思います。このご時世に通ずることもあると思いますが、頑張ってよかったな、という報われた気持ちです。そして映画を観てくださっている方々に感謝したいです。」と笑顔で語りました。

 最後に、永瀬は、「最近暗いニュースが多い中ですが、この作品は皆さんに笑顔を与えられるような作品になってます。そして、新しいチャレンジをしようと思っている人・新しい自分を見つけたいと思っている人の背中を押すような映画になっていると思います。これからも『弱虫ペダル』という作品を温かく見守り、愛して頂けたら嬉しいです」と堂々と締めくくった。

拡大する

ストーリー

主人公は、地元・千葉から秋葉原にママチャリで通う、運動が苦手で友達がいないアニメ好きの高校生・

小野田坂道(永瀬廉)。あることをきっかけに、自転車競技部に入部することになった坂道は、

自転車選手としての思わぬ才能を発揮することになる。坂道の良き仲間で期待の新人エース・今泉俊輔(伊藤健太郎)や、マネージャーの寒咲幹(橋本環奈)、同じ自転車競技部のメンバーとともに自分の限界や壁を越え、初めて出来た「仲間」とともに、レースで走る喜びを見出していくー。

誰かの為に頑張ったり、頑張る誰かを応援したりー。

あなたもきっと応援したくなる、誰かに想いを伝えたくなる、今年一番熱い青春ストーリー!

(c)2020映画「弱虫ペダル」製作委員会 (c)渡辺航(秋田書店)2008

弱虫ペダル
弱虫ペダル
弱虫ペダル GRANDE ROAD
弱虫ペダル GRANDE ROAD
弱虫ペダル NEW GENERATION
弱虫ペダル NEW GENERATION
弱虫ペダル GLORY LINE
弱虫ペダル GLORY LINE
この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(3枚)