「世論調査に出てこないトランプの“隠れ支持者”がいる」米大統領選で注目集める「義烏指数」とは?
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 秋に行われるアメリカ大統領選挙で政権奪還を目指す野党・民主党の全国党大会で18日、バイデン前副大統領が党の大統領候補に正式に指名された。翌19日には、ハリス上院議員が副大統領候補に正式指名され、アメリカで初となるアフリカ系とインド系のルーツをもつ女性副大統領候補となった。

【映像】大統領選グッズを作る工場の様子(1分40秒ごろ~)※画像

 再選を狙うトランプ大統領との選挙戦が注目を集めているアメリカ。その中で大統領選を占う「義烏指数」(ぎうしすう)が話題になっている。

 “義烏”は中国浙江省にある義烏市のこと。日用品の一大生産地であり、世界最大の卸売市場がある。先進国から玩具やTシャツなどの注文が殺到している場所だ。2016年のアメリカ大統領選では、トランプグッズの注文がヒラリーグッズの注文を上回っていたという。

 ニュース番組「ABEMAヒルズ」のコメンテーターで、ニューズウィーク日本版編集長の長岡義博氏は「もともと義烏指数は中国における景気の動向を示すものだった。2016年のアメリカ大統領選でトランプの当選を見事に言い当てると、そちらの方が有名になってしまった」と話す。

「前回の大統領選で各国のマスコミが『ヒラリー当選で間違いない』と報道していた中、義烏の人たちはトランプの当選を確信していた。理由はヒラリーグッズよりもトランプグッズの注文の方が多かったから。世論調査より、むしろアメリカの庶民の感情をリアルに反映しているのではないかと言われている」

「世論調査に出てこないトランプの“隠れ支持者”がいる」米大統領選で注目集める「義烏指数」とは?
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 アメリカからの注文数で選挙情勢を占う義烏指数。義烏に工場を持つ経営者によれば、今年の大統領選のグッズについて「今年の5月まではバイデン氏の旗の注文がトランプ氏を上回っていたが、6月に入った後にトランプ氏の旗と帽子(の注文)が増え始めた。注文数は現在同じくらいだ」という。前述の長岡氏も「今回の大統領選も、当初の世論調査ではバイデン氏の支持が上回っていたが、6月に入ってトランプグッズの注文が増えて、バイデン氏を追い上げてきた。むしろトランプの方に勢いがあるのではないか」とコメント。

 義烏指数が注目されているもう1つの理由が、世論調査に出てこない“隠れ支持者”の存在だ。長岡氏はこう推測する。

「トランプを支持しているのに、世論調査では『支持していない』と言う“隠れ支持者”がいる。4年前の大統領選でもそうだった。その結果、世論調査のデータと投票結果が違ったのだが、今回もそれが起こると予測している調査会社がある。先を読むのは難しいが、今回ももつれるのは間違いない」

 はたして義烏指数が示した予測は的中するのか。アメリカ大統領選の投票は11月3日に行われる。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

【映像】バイデン氏正式指名 義烏指数って何?
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