20日からスコットランドの「ロイヤル・トゥーン・ゴルフクラブ」で開催されている第44回全英女子オープンゴルフ。シブコこと渋野日向子選手の2連覇に注目が集まる大会だが、彼女をはじめとする選手たちを悩ませたのは、とてつもない強風だった。
「海沿いに位置するリンクスならではの強風」という言葉だけでは表現しきれないほどの風で、ピンフラッグは常に真横にたなびく。選手たちが帽子やバイザーに手をやる場面も頻繁にみられた。それもそのはず、当日の風速18.2mと台風並の強風で、イヤフォンで中継を観ている視聴者からは風の音で耳が痛いという声も寄せられた。
序盤は各選手が、風との付き合い方に戸惑い苦労する場面も。収まる気配を見せない風は、15番ホールで渋野選手と同組でラウンドするブハイ選手の帽子をも飛ばすハプニングも発生した。
アイルランドの強風にまつわるエピソードとしては、北アイルランドの「ロイヤルポートラッシュゴルフクラブ」で開催された2019年男子全英オープンにて、あまりの強風に金井拓実がPAR3 236ヤードでドライバーを使うほど。PAR3でのドライバーは小学3年生以来だったとか。
ちなみに風のハプニングといえば、強風でピンフラッグが折れて中止となった2009年フジサンケイクラシックが有名だ。グリーンでボールが動く、ティーアップしたボールが落ちるなどのアクシデントが続出して、最終日に中止となった。
強風によるアクシデントが発生した結果、大会中止となった「徳島県グランディ鳴門ゴルフクラブ36」では、台湾出身のテレサ・ルー選手が「全英の風に似ています」とコメントするほど、英国の強風は悪名高い。同コースでは、2016年5月に開催された「リゾートランドレディス」の最終日に「1mのパットを打つ直前に突風が吹いて、ボールが10m転がってカラーに押し出される」というアクシデントが起きた。大会当時は、最大風速15m、平均7m~8mだったという。
全英オープン初日のロイヤル・トゥーン・ゴルフクラブの風速が18.2m。いかに強い風の中で選手たちが戦っているかがわかる。2日目の天気は風だけでなく雨も加わりさらに厳しい展開が予想される。各選手が風との折り合いをつけながら自分のゴルフを取り戻す様子に注目したい。