MMAデビューを飾ったムエタイの強豪選手が、一方的に攻め続けるも“2つの凡ミス”を犯して痛すぎる判定負け。まさかの結末にネット上では「さすがにネタ試合すぎる」「お笑い試合」などの声が上がり、一時騒然。さらに実況席からも「あれだけ攻めてて、そこで貰うなよ!」とツッコまれるなど、ほろ苦いMMAデビューとなった。
8月21日に配信されたONE Championship「ONE: NO SURRENDER III」で総合格闘技の試合に挑んだムエタイの強豪、ファビオ・ピンカ (フランス)。ピンカは、タイ人以外でラジャ王者になり、WBCムエタイの2階級を制覇。その他、各国のムエタイリーグで華々しい戦績を積み重ね、数年前からMMA転向への準備を進めてきた。
対戦相手はシャノン・ウィラチャイ(タイ)。ここ数年勝ちに恵まれていないが、ONE日本人選手の筆頭格である青木真也やホノリオ・バナリオなど王者級の対戦相手とマッチメイクされることが多く、実力は確かな選手だ。
試合はピンカがスタンドで終始プレッシャーをかける展開。ウィラチャイは組んで勝負したいが、ピンカもしっかり対処する技量は持ち合わせている。1ラウンド後半のスタンドでの攻防では、決定打こそないもののローや伸びのあるパンチで終始プレッシャーをかけ続けたピンカ。その後もローを貰い続けたウィラチャイは防戦一方だ。
ここで一気呵成に畳みかけたいピンカが“左ハイを一閃”のはずが…バランスを崩して尻もちをつき、一転してウィラチャイの怒涛のパウンドの餌食に。一つ目の凡ミスで絶体絶命となったが、ここは幸運にもゴングに救われた。この試合に注目していたというABEMA解説者の大沢ケンジが、まさかの展開に「ミスってパウンドアウトって、一番見たくない」と漏らすほどだった。
2ラウンドに入ってもピンカの拷問のようなローがウィラチャイを襲う。なす術なく蹴られ続けたウィラチャイが放った起死回生のハイは空振り。かと思われたが、蹴り終わりに放ったバックブローがピンカのこめかみを直撃すると、1ラウンドを再現するかのようなパウンド状態に突入した。
またもや凡ミスを犯したピンカに対して「そーいうのじゃない。あれだけ攻めてて、そこで貰うなよ!」と大沢の本音が炸裂すると、ゲスト解説を務めた松嶋こよみも苦笑い。そこに視聴者も加勢して「何この泥仕合w」「さすがにネタ試合すぎる」などのコメントが殺到した。
「90%攻めていたのに、ラウンドごとに1回大きなミスをしましたからね」とピンカの判定負けを残念がった大沢のコメントからも、強さを見せつけ、インパクトは残したものの、ピンカにとっては“2つの凡ミス”の代償があまりにも大きいデビュー戦となった。
(C)ONE Championship