RIZINが切り札とも言えるカードを切ってきた。次回大会は9月27日、ホーム会場のさいたまスーパーアリーナに決定。8月26日の会見で開催を発表すると、第一弾カードとして那須川天心vs皇治をアナウンスした。
K-1で活躍し、武尊とも激闘を展開した皇治。以前から那須川との対戦を標榜しており、8月のRIZIN活動再開を前に参戦を決めていた。
8月9日のRIZIN横浜大会ではリングに上がり、ファンに参戦の挨拶。解説席にいた那須川をリングに呼び込み、あらためて対戦表明している。那須川はこれを「ケンカを売られた」と表現した。
対戦は決定的と見られていたが、9.27さいたま大会は皇治にとってRIZIN初戦となる。会見に出席した那須川は「みんなが(皇治に)幻想を抱いてると思うので、いいタイミング」とコメント。「格の違いをしっかり見せたい」という言葉も。
一方、皇治はいきなりの大一番。「必死こいて、すべてをかけて闘います」と神妙に語りつつ「いろんなものを失ってここにきた。あとは奪うだけ」と決意を露わにした。
「誰もが認める立派なファイター。22歳で格闘技引っ張って。リスペクトしてますよ。だからこそ奪いがいがある」
さらに皇治はこう語る。
「負け戦をしにいくわけじゃない。すべて奪ってやる。“不可能やろ”とほざいとけと。根性でいきますよ」
武尊戦に続くキャリア最大の大勝負。会見の終盤には「メイウェザー 戦で泣いてたから」と那須川に赤ちゃん用のオモチャと哺乳瓶を渡して挑発する“らしい”場面も。しかし会見後の撮影ではポケットに手を突っ込み、シビアなムードを醸し出す。カメラマンから「何かポーズを」というリクエストも拒否。すでに戦闘モードということか。
一方、那須川は皇治について「打たれ強いイメージがあるので、そこを崩したい。1ラウンドからバチバチにいきたい」。皇治がRIZINに参戦し、話題性のある今だからこそきっちり自分が仕留めようというわけだ。
RISEでは那須川への挑戦権をかけたトーナメントが開催されるなど、対戦を望む選手は多い。そんな中に皇治が割って入った形で、心中穏やかでない選手もいるのではないか。そこで皇治が誰もが納得する試合を見せるか、それとも那須川が圧倒してしまうのか。那須川は「必殺技、いっぱい用意してます」とアピールしてもいる。
オモチャと哺乳瓶で挑発されても「ありがとうございます!」と素直に受け取り「僕もなんか持ってくればよかったですねぇ」と動じなかった那須川。この揺るぎなさを皇治はどう攻略し、揺さぶっていくのか。RIZINの榊原信行CEOは、この試合を大会の生中継枠にもっていきたいとコメントしている。つまりこの試合は“世間”と勝負するためのものなのだ。