新型コロナウイルスの流行で、盛んに呼びかけられている「ソーシャルディスタンス」。しかし、どうしても密になり、濃厚接触になってしまうイベントがある。それは「デート」だ。
都内の若者にこの間デートをしたか聞いてみると、「会う時はご飯だけとかはありました。遊びは1日とかはないですけど、たまに映画とかはありました」(10代男性)、「そういう時だからこそ家で2人まったりするのもいいのかな」(20代女性)という声が聞かれる。
そんな中、結婚相手紹介サービスのオーネットが「コロナ禍におけるリアルデートの意識調査」の結果を発表した。20~34歳の男女937人に「今年の4月以降、異性とデートに出かけたことはあるか?」と質問したところ、「はい」が52.8%。全体の過半数がデートをしていたという。
そこで気になるのが、密対策。「ソーシャルディスタンスを気にしていたか?」という質問については、「気になるので3密対策を行っている場所を選んだ」と答えた人が全体の25.6%で、「除菌用品を持参して使用した」人が20.7%。一方で、「気にはなったが、特に何もしなかった」は15.8%、「気にならなかった」は14.0%で、全体の3割はコロナ禍以前と同じようなデートをしていたとみられる。
そうした中、ソーシャルディスタンスどころか物理的な距離を全くなくした、新たなデート様式を選択する人も増えている。ZoomやSkypeなどを利用した、「オンラインデート」だ。ネットでは、「恋人とコロナ禍で5カ月会えない中、初めてオンラインデートしました! 19時間半繋げました。買い物も一緒に行ったし、ずっとおしゃべりできて楽しかった」「オンラインデート完了。およそ4時間。十二分に満喫」との声も。
SNSや性格診断サービスをプロデュースしてきた元IT起業家で作家の関口舞氏は、「比較的長時間、相手と繋がった状態、それぞれが好きなことをしたり何なら寝てしまったり、そういうことに抵抗がなくなってきているのかなと思う」と話す。
実際にマッチングアプリや婚活アプリでも、オンラインデートのサービスを提供する企業が増加しつつあるという。そのメリットについて関口氏は、「今までだったら、メッセージをやり取りして良かったら直接会うのが一般的な流れ。最近は大手アプリでも“オンラインビデオデート機能”が始まっていて、マッチングした相手とまずはビデオ電話できるというものがある。特にいいと思うのは、『相手がどんな人かわからなくて怖い』『写真と全然イメージが違う』という点や、何時間か費やしたりお金もかかって効率が悪いという問題が全体的に解決されていくこと」と説明。
一方で、ビデオ電話が始まってしまうと「そろそろやめましょう」と言いづらくなったり、間が持たなくなったりする問題もあるというが、「大手アプリだと15分限定で勝手に切れるものもあり、それぐらいだったらちょうどいいかなということでなかなか便利なのではないか」との見方を示した。
さらに、海外では“第3者”が介入するアプリがあるという。ビデオチャットを介して男女が出会う中国のマッチングアプリ「伊対」では、男女2人とは関係のない“立会人”が参加。立会人は仲介役となって会話を回したりなどし、関氏いわく“お見合いおじさん・おばさん”のようなものだということだ。立会人はおじさんから若い女性など様々だという。
このシステムについて関氏は「初対面の男女のやり取りが難しいというのは、あらゆるマッチングサービス事業者が考えている。定型文を用意したり、人工知能を使って話題を振るなど私もいろいろ考えてきたが、まさか関係ないおじさんを入れるという革新的なやり方があったのかと。これを見た時は悔しくて夜も眠れなかった」と語った。
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