「特措法を改正し法的強制力を。“補償”は“経済的支援”に改めるべき」石破茂氏に聞く、新型コロナウイルス対策
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 「納得と共感」を掲げて自民党総裁選に出馬、『石破ビジョン』では「ポストコロナにふさわしい法令」として、「特措法改正で法的強制力を持った補償を伴う休業要請を規定。PCR検査の抜本的拡充。日本版CDC創設」を訴えている石破茂氏。

 政権の外から、これまでのコロナ対策をどう見てきたのだろうか。『ABEMA Prime』で話を聞いた。

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「特措法を改正し法的強制力を。“補償”は“経済的支援”に改めるべき」石破茂氏に聞く、新型コロナウイルス対策

石破:感染者数も重症者数も少ないということは、医療現場の人たちがものすごく頑張ったということだ。そして国民がマスク、手洗い、うがい、消毒を本当に心掛けたということもあるだろう。しかしアジアの中で比較すると、決して威張れたものではない。特措法の見直しについて、収束した後にやるんだという立場と、収束させるために早くやるんだという立場があるが、私は後者の方がありだと思っている。特に、今の特措法は“お願いベース”だし、“補償”という言い方は必ずしも正しくないので“経済的支援”と言い方に改めたほうがいいだろう。法的には難しい議論だが、経済的支援というものを伴った、法的強制力を持った要請、ネガティブな響きがあるが、言い方を選ばずにあえて言えば、命令みたいなものだ。

そして、Go To キャンペーンをめぐる議論もそうだが、感染症で苦しい思いをされている方、命を落とされる方を可能な限り少なくすることはもちろん必要だ。だけど経済的困窮によって命を絶ってしまう人も増えかねない。だから感染防止と経済は二者択一では決してない。感染機会の減少と交流の拡大と両立できるし、要は、どうやって社会生活を守っていくかという観点でやっていかねばならないものだ。そうすると、“お前、Go To キャンペーンどんどんやれっていう話かよ”と言われるが、まだまだ工夫の余地がありはしないだろうか、という話だ。例えば東京都の中だけででも、“最近できた新しいホテルに行ってみたいな。八王子とか、日の出町に行ったことないな。立石の横丁に行ってみたいな”など、色々あると思う。そういうものに経済的支援はあって然るべきだ。そして、それが使いにくいということも改めなくてはいけない。

「特措法を改正し法的強制力を。“補償”は“経済的支援”に改めるべき」石破茂氏に聞く、新型コロナウイルス対策

ケンドーコバヤシ:フランスでは休業補償が給与の80%だったと聞いた。そのくらいあればジョブチェンジしなくても歯を食いしばれると思う。日本ではどのくらいのレベルで可能なのか。

石破:いつまでも続かないというのはあるけれども、イギリスが80%と聞いてびっくりした。もう食べていけない、生きていけないと人生に絶望する人がたくさんいらっしゃる。コロナで亡くなることも抑えないといけないけれど、経済に絶望して亡くなるのを抑えるのも政治の責任だ。しかし、そのことが感染の拡大を抑止するのにどんな効果があるかということをきちんと説明しないと、納税者は納得しない。憲法論から始まって難しいところがあるので“経済的支援”という言葉に置き換えているが、納税者の負担は一緒だからだ。

佐々木俊尚(ジャーナリスト):法的強制力に関しては同意するが、いくら補償が行われるとはいえ、“法的強制力をもった休業”と言った瞬間、ものすごい世論の反発がメディアを中心に来ると思う。おそらく現政権も、それを恐れてやらなかったと思う。大バッシングが起きても、それを乗り越えられるとお考えなのだろうか。

「特措法を改正し法的強制力を。“補償”は“経済的支援”に改めるべき」石破茂氏に聞く、新型コロナウイルス対策

石破:原資は国民の税金なのだから、経済的支援をどうするかということとセットでなくてはいけないし、それをやることによって感染の拡大が阻止できるということもちゃんとご説明しなくてはいけない。“経済的支援を国民の税金でやる?バカ言うな”という話になりかねないので、きちんとした数字に裏付けられた“納得と共感”が必要だ。

佐々木:“納得と共感”を得ることは大事だと思うが、やはり日本のメディア空間を見ると、ものすごい勢いで“分断と対立”が進んでいる。石破さんがおっしゃるような冷静な議論を積み上げていこうとしても、それがかき消されてしまうくらいの状況で、そこに立ち向かうのは大変だと思う。

石破:どのような報道スタンスを取るか、というメディアの意識の問題もあるだろう。国民の感情を煽れば、視聴率は上がるかもしれない。部数は伸びるかもしれない。メディアが本当に社会的な第4の権力としてどういう意識を持つかということだし、スポンサーの方々の理解をきちんと得ることも必要だろう。しかし、火事と喧嘩は大きな方が面白いみたいな、そんな話にはならないだろう。

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