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(挑戦者に指名され「お前の頭の中は俺が支配してんだ」と佐々木)

 ビッグマッチでは異例の“同門対決”だ。11月3日に開催されるDDTの大田区総合体育館大会、そのメインイベントは、KO-D無差別級王者・遠藤哲哉と佐々木大輔のタイトルマッチに決まった。

 遠藤はDDT随一の人気ユニット・DAMNATIONに所属。このユニットを結成したのが“カリスマ”佐々木であり、遠藤も佐々木に誘われてDAMNATION入りすることで実力と存在感を高めた。

 夏のトーナメント「KING OF DDT」を王者として制した遠藤には、11.3大田区での挑戦者を指名する権利が与えられた。そこで遠藤が名前を出したのがケニー・オメガ。指名されたケニーも対戦に異論はなかったが、やはりコロナ禍が収束するまでは来日することができない。

 あらためて、遠藤は挑戦者を9.7後楽園ホール大会で指名することに。メインの5vs5イリミネーションマッチで1人残りの勝利を収めた遠藤は、数分前までともに闘っていた佐々木とのタイトルマッチを求めた。

「俺には超えなきゃいけない相手が2人いる。1人がケニー・オメガ。もう1人が佐々木大輔」

 そう語った遠藤。最も影響を受けた佐々木だからこそ、闘って勝たなければいけないと考えていた。昨年4月には「いつでもどこでも挑戦権」を使って佐々木に勝利しているが、それは過去のこと。2度目の戴冠を果たした今また“カリスマ超え”を果たすことは王者としての使命と言ってもいい。

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(9.7後楽園のメインは遠藤がシューティングスタープレスで締めた)

 これは「仲間割れ」や「ユニット分裂」ではなく、あくまで個人と個人、遠藤哲哉と佐々木大輔の闘い。2人の関係性があるからこそのタイトルマッチに「なんかラブソングみたいだな」と佐々木。遠藤は「そういう面もある」と答えた。

 ただし佐々木としては面白くない部分もある。「俺に勝てると思ってんのか?」というわけだ。

 遠藤は飛び技を軸にしながらも投げ技、固め技すべてでフィニッシュできるハイレベルなオールラウンダー。一方の佐々木は曲者中の曲者だ。反則も含めたインサイドワークを使いこなし、ハードコアマッチを得意とする無鉄砲さも。

 DAMNATIONのモットー「群れない、媚びない、結婚しない」からも分かるようにコメントや行動は不規則かつ無軌道。試合がない日は、起きている時間の大半をビールを飲みながら過ごしているとも言われる。

 9.7後楽園でも、試合が終わるとマッド・ポーリーとリング上で相撲を取り始め、遠藤からの挑戦者指名を3度聞き逃した。なぜ相撲を取っていたのかは誰にも分からない。

 つまり遠藤としては、この無鉄砲、不規則、無軌道とも闘って超えなければならないのだ。もしかするとケニー以上の難敵かもしれない。

文/橋本宗洋

写真/DDTプロレスリング

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