9月18日(金)から21日(月・祝)までの4日間、伊東温泉競輪場で第36回『共同通信社杯競輪』というGIIレースが行われます。
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7月に『サマーナイトフェスティバル』というGIIレースが行われましたが、そちらと同様にS級S班9名揃い踏み。ナショナルチームのメンバーも多数出場することもあり、GIに負けず劣らずビッグなレースが展開されます。
このレースの始まりは『ルビーカップ』でした。
1948年(昭和23年)に小倉で競輪が始まってから40年経った1988年(昭和63年)、競輪発祥40周年記念企画として行われたのが『ルビーカップ』です。全国8地区の競走得点1位者8名に、選考委員会が選抜した1名を加えた9名による一発勝負レース。平塚競輪場で行われたこの単発真剣勝負にファンが熱狂したこともあって、翌年には共同通信社から冠を戴き、『共同通信社杯ルビーカップレース』となったのです。
それから第7回大会までは一発勝負だったのですが(第7回は4日開催中のシードレースとして開催)、1996年(平成8年)の第8回大会からは4日制のトーナメントによる準特別競輪(現在のGII相当)に格上げ。それからしばらくダービー(日本選手権競輪)の前哨戦と位置付けでしたが、2001年(平成13年)からは競輪祭のトライアルレースに変更されました。さらに2009年(平成21年)の番組編成では『ふるさとダービー(1989年から2008年まで行われていたGII競走)』に代わるレースとして『共同通信社杯 春一番』『共同通信社杯 秋本番』の年2回開催に。2012年(平成24年)に再び年1回開催に戻り、2016年(平成28年)から9月開催となって、今に至ります。
紆余曲折の末、現在では「若手の登竜門」的開催として位置付けされています。
若手選手(今回では101期から115期)が選抜基準として優遇されているからです。
一方で優勝賞金が2000万円台であり、これはGIと同等の額。ここで勝てば年末のグランプリ出場がかなり近づくということもあって、ベテランとしても本気で獲りたいタイトルです。
つまり若手とベテランがなりふり構わずしのぎを削る、激しいバトルが展開される4日間になります。しかも舞台は短走路の伊東温泉競輪場。ラインが出たり、切ったり、引いたり、かましたりと目まぐるしい展開が日々、見られるでしょう。このシリーズは初日からシード戦はなく、すべて予選。初めから全員がガチで争う競輪を楽しめます。
ちなみに舞台となる伊東温泉競輪場は1950年(昭和25年)に開設されました。1968年(昭和43年)から今の名称が使われるようになり、1998年(平成10年)から正式な競輪場名となりました。
温泉という名が付いてますが、別府競輪場のように駐車場のど真ん中に温泉があるというようなことはなく、温泉街である伊東のちょっとはずれにある競輪場。崖を切り崩して造成されているため、丘に囲まれており、風の影響はほとんど受けません。
周長は333mの小回りバンクながら、33バンクの中では前橋競輪場に次いで直線が長く「400バンクの感覚に近い」という選手が多いです。それでも33バンクなので先手ラインが有利となるので前述したように目まぐるしい位置取りの攻防は繰り広げられるでしょう。後方からの大捲りするには距離が足りなすぎるので、中団が取るのが上手いラインの捲りが狙い目になるかもしれません。平原康多選手が引っ張るラインとかいいかも……。捲りが届きそうにない場合には先行ラインの追い込み、差し目も他の33バンクよりは狙える場です。
共同通信社杯の開催は2014年(平成26年)から6年ぶり2回目。伊東名産の蜜柑(みかん)をモチーフにした「ミカリン」というマスコットキャラクターが可愛いのでこちらも注目してみてください。
最終日の9月21日(月・祝)には『ガールズケイリンコレクション2020 in 伊東』という一発勝負も行われます(9R)。こちらは年末のガールズグランプリを見据えた女子選手7名のガチバトル。
若手とベテラン、そしてガールズが短走路を目まぐるしい展開で競い合う、連休絡みの4日間を存分に楽しみましょう♪