(西岡の参戦でさらにグレードが上がった-63kgトーナメント)
ここまでのメンバーが集まるとは、ファンも予想していなかったのではないか。
9月12日、RISEの記者会見が開催され、秋の2大ビッグマッチにおけるトーナメントの出場選手とメンバーが発表された。
10月11日、ぴあアリーナMMでは-63kgのワンデートーナメントを実施。1回戦の組み合わせは以下に決まった。
白鳥大珠vs直樹
原口健飛vs西岡蓮太
出場が決まっていた昨年の-61kg世界トーナメント優勝者・白鳥と8月のRIZINで大雅をKOするなど絶好調の原口が“本命”と目されていたこのトーナメント。両者は舌戦を展開してきたが、西岡の参戦で様相が変わってきた。
西岡はシュートボクシングとKNOCK OUT、2つのベルトを持つ強豪。原口も「僕の勢いを止められるとしたら西岡選手」と警戒する。だがそれでも「一番興味あるのは白鳥選手」と原口は言い、白鳥も「興味あるのは1人だけ」。
11月1日のエディオンアリーナ大阪大会では、那須川天心への挑戦権をかけた-55kgトーナメントが行なわれる。ここでRISE初参戦を果たすのは、新日本キックボクシング協会の江幡塁だ。江幡は1回戦でいきなり鈴木真彦と対戦することになった。
鈴木は那須川に敗れて以来、実に19連勝。「ずっと打倒・那須川天心でやってきた」と強いこだわりを見せる。このトーナメントで勝てばいよいよ再戦が実現するだけに「RISE王者として2人倒して優勝したい」と語る。
江幡は昨年大晦日、RIZINで那須川にKO負け。リマッチにつなげたい気持ちもあるが「このメンバーでワンデートーナメントをやること自体が大きい。アスリート、格闘家としてのテーマは挑戦。これはチャレンジしかないトーナメントだと思います」と参戦の理由を語った。
(-55kgには江幡が登場。いきなり鈴木と対戦する)
もう一つの1回戦は昨年の世界トーナメント2位・志朗と良星(らすた)だ。良星はトーナメント出場選手の中で唯一、那須川との対戦経験がなく「初対戦で初勝利したい」と意気込む。
ムエタイの世界で活躍してきた志朗は、那須川と世界トーナメント決勝で対戦したが敗北。また過去に江幡に敗れており「負けている2人にリベンジするというのが僕のプランです」と志朗。
今年はアジアトーナメントが予定されていたが、コロナ禍で実現せず。しかし鈴木は「日本人で誰が一番強いねんと、そっちのほうが盛り上がる」と言う。確かに、日本人対決のほうがお互いの意地がよりはっきり出るだろう。
選手選考について「純粋に強さを求める選手」とし、-63kgトーナメントを「日本人最強決定戦」とRISE伊藤隆代表。この階級に西岡が参戦、また-55kgに江幡がエントリーしたことで、RISE2大トーナメントはいわゆる“非K-1”の強豪が一挙に集結する場となった感がある。優勝の行方がまったく読めない闘いだが、ハイレベルな激闘が展開されることだけは確実だ。