ゴールに背を向け、ボールを受けて鮮やかに反転。左足のつま先から放たれた超低空シュートに相手GKが反応できずゴールネットへと突き刺さった。
まるで人気サッカー漫画『キャプテン翼』の松山光が得意とするイーグルショットのようなスーパーゴールに、試合を放送したABEMAの視聴者が即座に反応。一時、多くのコメントが殺到する場面があった。
決めたのは、Fリーグ・名古屋オーシャンズのペピータだ。卓越したゴールセンスを持つ彼は、今シーズンわずか2試合で5得点とゴールを量産中だ。
■今シーズンの22試合での目標は30ゴール
漫画のようなゴールを決めたペピータは、元ブラジル代表の肩書をもつ選手。2017年に、ブラジルの名門クラブ・コリンチャンスから名古屋に加入したが、プレシーズンに行われたカップ戦でデビューした試合で、まさかの左膝前十字靭帯断裂。来日1年目はFリーグのピッチに一度も立てずに悔しい思いをした。
そんな気持ちを晴らすかのように、1年越しのリーグ戦デビューを果たした2018シーズンは24得点を決めてリーグ連覇に貢献。さらに昨シーズンは、33試合で37ゴールを挙げて名古屋をリーグ3連覇へと導くとともに、個人としても最優秀選手賞を受賞した。
年々そのすごさが増しているペピータは、今シーズンの開幕戦で2ゴール。そして、13日には、冒頭の「イーグルショット」を含む3得点を挙げてみせた。2試合で5得点というとてつもない数字を叩き出している。
彼の持ち味は、鋼のような肉体と、左足から放たれる大砲のように強烈であり、なおかつコースを打ち抜く正確なシュートだ。前節はシュート6本で3得点を挙げるなど、決定力の高さも彼の特徴だ。
そしてもう一つ、鬼のような形相で迫る前線のプレスもペピータの武器。相手陣内の高い位置でボールを奪い、すかさず高速カウンターから一人で得点を決めてしまうシーンをこれまで何度も見せてきた。
「全試合で得点してチームのために貢献したい」
そう公言する彼の目標ゴール数は「30」。リーグ戦は全22節のため1試合1得点では達成できない数字だが、ハイペースでゴールを量産しているその得点力を考えれば、もはや簡単にさえ思えてくる。
見る者を驚かすようなスーパーゴールを量産し、チームを何度も勝利へと導くペピータ。今シーズンも、Fリーグファンの記憶に残るような大活躍をみせてくれるに違いない。
文/舞野隼大(SAL編集部)
写真/高橋学