米大統領選、いよいよテレビ討論会へ…トランプ大統領が仕掛けた“罠”にバイデン氏がはまりこむ可能性も?
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 11月の本選に向けてヒートアップするアメリカ大統領線。最新の全米支持率ではバイデン氏をトランプ大統領が追いかける構図だが、4年前の選挙結果を見ると、当日までどうなるか読めない展開になりそうだ。

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 『ABEMA Prime』では共和党保守派に独自の人脈を持つ早稲田大学招聘研究員で国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏と、トランプ大統領の言動を厳しく批判してきたお笑いタレントのパックンに話を聞いた。

■トランプ大統領が逆転する可能性も…コロナで“失政”も支持者は揺るがない?

米大統領選、いよいよテレビ討論会へ…トランプ大統領が仕掛けた“罠”にバイデン氏がはまりこむ可能性も?

 『RealClearPolitics』の調べによれば、バイデン氏のリードは揺るがないものの、直近の数字ではその差は6ポイントあまりに縮まってきている。

 渡瀬氏は「全米支持率は一貫してバイデン氏が高い状況にあるが、勝敗を決めるのは“接戦州”と呼ばれる州で、前回もラストベルト(中西部の工業地帯)の州が決め手になった。今回もこれらの州では全米支持率よりも差が詰まっているので、トランプ大統領が逆転する可能性も残っていると思う。7月に選挙の責任者を替えて以降、有権者に送るメッセージが非常に効果的になり、支持率も上昇してきている」と話す。

 パックンも「選挙1カ月半前くらいの時点でこんなに差が付いたことはないというくらいになっていることも確かだが、激戦州では差が詰まっているので、まだ誰も安心できない状況だ。何といっても選挙人制度なので、投票を通して民意がどれだけ伝わるかという問題もある。前回、得票率は世論調査の結果通りになり、クリントンが2ポイントくらい上回った。それでも大統領はトランプになってしまった。今の6ポイントが縮まってしまったら、本当に分からない」とした。

米大統領選、いよいよテレビ討論会へ…トランプ大統領が仕掛けた“罠”にバイデン氏がはまりこむ可能性も?

 また、両氏ともに新型コロナウイルスへの対応がトランプ支持派に与える影響は少ないとの見方を示す。

 「そこが非常に面白いところだ。トランプ大統領支持の理由の一つには経済がある。コロナ禍の立て直しについても、やはりトランプ支持を継続する人が一定数はいると思う。もともと党内に基盤がなく、リベラルで民主党に近いと思われている方々とは今も対立関係にあるが、政策スタンスを“保守派”と呼ばれるゴリゴリの右派の人たちに合わせることで共和党の一番コアな部分を“トランプ党”化した」(渡瀬氏)。

 「過去のデータを見てみると、失業率が7.4%を超えた大統領で再選した候補は1人もいない。今は8.4%なので、本来であれば再選しないと考えられるが、2つの例外がある。1つは失業率の高さはトランプ大統領が悪いのではなくてコロナのせい、中国のせいだと支持者は見ている。もう1つは、堅い支持層の存在だ。共和党支持者の92%がトランプ支持で、これはレーガンなど歴代大統領よりも高い。それでも民主党大会にコリン・パウエルや前回の大統領候補のマケイン氏の未亡人が登場するなど、中道派と左派だけでなく、普通の共和党員の中にもバイデン支持に回っている人もいる。ブッシュ、チェイニー、レーガンの関係者も支持を表明していない」(パックン)。

■後任の最高裁判事の人選も影響か、2024年の大統領選挙は女性候補の争いに?

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 他方、リベラル派重鎮の連邦最高裁判事・ルース・ギンズバーグ氏が亡くなったことによる影響は少なくないようだ。

 パックンは「後任を誰にするのかは、左派にとっても燃える要素だ。一方、細かい話にはなるが、オバマ大統領の任期最後の年にアントニン・スカリアという保守派の最高裁判事が亡くなった。オバマは後任に中道派の判事を指名したが、当時、上院を握っていた共和党は“選挙直前だから指名されても承認できない”と反対した。それが今回、共和党は選挙ギリギリにもかかわらず指名を承認しようとしている。この矛盾をどう説明するかだ」と指摘。

 渡瀬氏は「後任人事に保守派を充てることで、共和党の人たちが盛り上がる。名前が挙がっている候補者の1人はキューバ系ヒスパニックの方。仮に指名されれば、激戦州のフロリダ州でトランプ大統領にプラスに働く可能性があると思う。共和党の矛盾についてだが、過去には指名してから承認まで1日だったこともある。どの事例を取るのかで違う」とした。

米大統領選、いよいよテレビ討論会へ…トランプ大統領が仕掛けた“罠”にバイデン氏がはまりこむ可能性も?

 また、副大統領候補の存在も、結果を左右するファクターと見られているようだ。バイデン氏がカマラ・ハリス氏(55)氏を民主党副大統領候補に据えたことは話題を読んだ。

 渡瀬氏は「ハリス氏が次の民主党の大統領候補者になるのは間違いないと思うが、共和党側にもインド系のサウスカロライナ州の知事、ニッキー・ヘイリー元国連大使という隠し玉がいる。次の大統領選挙は、このヘイリー氏とハリス氏の、初の女性大統領の争いになると思う」とコメント。

 パックンは「“ポスト・バイデンはハリスだ”、という声も多い。もし今回の大統領選挙に勝ったとしても、次は80歳を超えていることになる。誰かに譲るとしたら、やはり副大統領として自分の路線を引き継ぐ人がいい。今回バイデン氏が負けたとしてもハリス氏の知名度は上がり、次の予備選で大変有利になる。一方で、ヘイリー氏がダイバーシティを認めない共和党の予備選で勝ち上がることはまずないと思う。そもそも彼女はトランプ大統領と対立的だったにも関わらずトランプ営に入り、国連大使になった。一度は距離を置こうとしていたが、再びトランプ支持にまた回った。政治理念がないんじゃないかと思うし、“ニッキー・ヘイリー大統領”というのは悪夢だ」と話した。

■テレビ討論会ではバイデン氏が劣勢になる場面も?

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 来週からは、いよいよテレビ討論会もスタートする。

 渡瀬氏は「トランプ大統領が早口でまくし立てて、バイデン氏からいかに失言を引き出すかというところに注目だ。“トランプは何を言ってもトランプだから”ということであまり問題視されなくても、独自のメッセージの発信が非常に少ないバイデン氏はそこが注目されてしまうと思う」、パックンは「トランプは、他の人には許されていない“嘘”という武器を持っている。真実とは異なることを1日平均で12回も発信しているといわれるくらいで、共和党党大会の受諾演説でも50分のうち20回も嘘をついた。テレビ討論会で、バイデン氏がそこに対処するかだ。“それは嘘だ。それも嘘だ”と指摘し続けていると、自分のメッセージが発信できない。トランプ大統領はそれを仕掛けてくるかもしれない。そもそも、リアリティ番組の大スターで、プロレスのプロデューサーという経歴も持っている。むしろ大統領よりもはるかに才能を持っている分野だから(笑)」と皮肉った。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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