「落っこちてよかったって、今は腹の底から思える」。俳優の窪塚洋介が40代に突入してたどり着いたのは「過去は消せないけれど、イメージは変えられる」というポジティブな気づき。人気も集めて仕事も順調だった2004年6月6日、自宅マンションから転落して重傷を負った。俳優としても、まさに転落。しかし長いオーディションの末に掴んだマーティン・スコセッシ監督のハリウッド大作『沈黙』(2016)から再び、息を吹き返してきた。角川春樹最後の映画監督作と銘打たれた『みをつくし料理帖』(10月16日公開)では、驚くほどの安定した演技で重要な役割を果たしている。血気盛んだった20代。窪塚は当時をどのように俯瞰しているのか。