1988年に映画監督デビューして以来、堤幸彦監督は娯楽大作から社会派作品まで幅広く手掛けながらも、一貫して人間の真実を見つめてきた。今回、そんな堤幸彦監督がメガホンをとったのは、雫井脩介原作のベストセラー小説「望み」。雫井脩介が執筆時に最も苦しみ抜いたという、渾身の力作を日本が誇る名俳優・堤真一や石田ゆり子、今大注目俳優・岡田健史、清原果耶ほか豪華キャスト陣により映画化。衝撃と感動のサスペンス・エンタテインメントとなっている。堤幸彦監督は、2015年に『悼む人』、2018年に『人魚の眠る家』、2019年には『十二人の死にたい子どもたち』などを手掛けており、サスペンスやコメディ、ヒューマンドラマなど多彩なジャンルに挑み続けている。そんな堤幸彦監督の作品を10月9日(金)公開の映画『望み』と併せて紹介する。
感動のサスペンス・エンタテインメント『望み』(10月9日公開)
愛する息子は殺人犯か、被害者か。それともー。父、母、妹―それぞれの<望み>が交錯するなか、家族がたどり着いた<3つ目>の答えとは?ラストの<光>に魂が慟哭する感動のサスペンス・エンタテインメント。
ストーリー
一級建築士の石川一登(いしかわかずと)とフリー校正者の妻・貴代美(きよみ)は、一登がデザインを手掛けた邸宅で、高一の息子・規士(ただし)と中三の娘・雅(みやび)と共に幸せに暮らしていた。規士は怪我でサッカー部を辞めて以来遊び仲間が増え、無断外泊が多くなっていた。高校受験を控えた雅は、一流校合格を目指し、毎日塾通いに励んでいた。冬休みのある晩、規士は家を出たきり帰らず、連絡すら途絶えてしまう。翌日、一登と貴代美が警察に通報すべきか心配していると、同級生が殺害されたというニュースが流れる。警察の調べによると、規士が事件へ関与している可能性が高いという。さらには、もう一人殺されているという噂が広がる。父、母、妹――それぞれの<望み>が交錯する。
「生」と「死」に向き合った人間模様を描いたドラマ『悼む人』(2015年公開)
亡くなった人が生前「誰に愛され、愛したか、どんなことをして人に感謝されていたか」。そのことを覚えておくという行為を、巡礼のように続ける主人公“悼む人”こと坂築静人と、彼とのふれ合いをきっかけに「生」と「死」について深く向き合っていく人々の姿を描いた作品。
ストーリー
悼むこと、それは愛を憶えておくこと―。主人公・坂築静人は、不慮の死を遂げた人々を<悼む>ため、日本全国を旅している。<悼む>とは、亡くなった人の「愛」にまつわる記憶を心に刻みつけること。死者が生前「誰に愛され、愛したか、どんなことをして人に感謝されていたか、その生きている姿を覚えておく」静人の行為は時に、人々に奇異なものとしてうつる。そんな静人に出逢い、自らの手で殺めた夫の亡霊に苛まれながら静人と旅をする倖世。静人の行為に興味を抱き取材を始めるジャーナリストの蒔野。そして、病魔と闘いながらも実家で息子の帰りを待つ静人の母親・巡子。静人の<悼み>は関わった様々な人たちの「生」と「愛」に対する考え方に大きな影響をもたらし、誰もが抱える生きる苦しみに光を照らしていく。
愛する人を持つすべての人が心を揺さぶられる感動作『人魚の眠る家』(2018年公開)
離婚寸前の夫婦のもとに、ある日突然届いた知らせ。「娘がプールで溺れた―」。愛するわが子は意識不明のまま、回復の見込みはないという。奇跡を信じる夫婦は、ある決断を下すが、そのことが次第に運命の歯車を狂わせていく―。先の読めない怒涛の展開、想像を絶する衝撃のクライマックスを経て明かされる秘めた想い。愛する人を持つすべての人の心を揺さぶる感動作。
ストーリー
二人の子を持つ播磨薫子とIT機器メーカーを経営する夫・和昌。すでに別居状態の夫婦は、娘の小学校受験が終わったら、離婚することになっていた。そんなある日、二人の元に悲報が届く。娘の瑞穂がプールで溺れ、意識不明になったというのだ。医師から「脳死の可能性が高く回復の見込みはない」と言われ、二人は「脳死」を死として受け入れ、臓器提供を希望するか、心臓死をただ待つのかという、生かすか、死を受け入れるか、究極の選択を迫られる。 奇跡を信じる夫婦は、ある決断を下すが、そのことが次第に運命の歯車を狂わせていく―。
未体験・密室サスペンスゲーム『十二人の死にたい子どもたち』(2019年公開)
見知らぬ十二人の未成年たちが〈集団安楽死〉を求める。ひとりではなく、みんなで楽に死ねると思っていたら、想定外。十三人目の予期せぬ先客がいて、しかもその人物はすでに死んでいた。集まった者の中に殺人者がいるのとなれば、もはや安楽死どころではない。十二人は、自分が誰かに殺される恐怖に震える。自ら死ぬのはいいけれど、他人に殺されたくない! 初めて感じた死への恐怖―。息が詰りそうな閉ざされた廃病院の一室で、素性のわからないメンツ同士が疑心暗鬼に陥りながら、互いの真意を探り合う。自分の本音は決して悟られてはならない。だが、次々と予想外の出来事が起こり、追い詰められ、心の支えを失った未成年たちは徐々にパニックになる。先の読めないノンストップ未体験・密室サスペンスゲームが始まる!
ストーリー
その日、12人の未成年たちが、安楽死を求め廃病院の密室に集まった。「みんなで死ねば、怖くないから」ところが、彼らはそこで13人目のまだあたたかい死体に遭遇。彼らだけしか知らない計画のはずだ。まさかこの12人の中に殺人鬼が…?死体の謎と犯人をめぐり、疑心暗鬼の中ウソとダマしあいが交錯し、12人の死にたい理由が生々しくえぐられていく。全員、ヤバイ。気が抜けない。いつ誰が殺人鬼に変身するのか⁉パニックは最高潮に。彼らは安心して“死ねるのか”怯えながら“殺されるのか”
(c)2020「望み」製作委員会