ドキュメンタリー映画監督のマイケル・ムーア氏が、トランプ大統領の新型コロナウイルス感染は「嘘」だと“陰謀論”を展開している。
【映像】 マイケル・ムーア氏「トランプは私たちをだましている」実際の投稿(20秒ごろ~)
「医者は真実を語っていません。トランプは私たちをだましています。多くの人がそれに気づいていません。それでうまくいく、逃げ切れると彼は思っています。かつてもそうでした。私たちという壁を彼は越えられない」
(The doctors aren’t telling the truth. Trump is playing us. No one in the majority is falling for it. He thinks he’ll get away with it. He has before. We are the wall he cannot climb.)
上記は、マイケル・ムーア氏が自身のSNSに投稿した文章だ。退院したトランプ大統領がホワイトハウスに戻った動画を紹介しながらマイケル・ムーア氏は「トランプ大統領が新型コロナに感染したと嘘をついている」という衝撃的な主張を展開した。
ムーア氏は4年前の大統領選でも「反トランプ映画」を製作するなど、これまでもトランプ大統領への批判を繰り広げてきた。その選挙戦でも「健康状態について嘘をついたことがある」と前置きした上で、今回も選挙戦で負けている現状を打破するための陰謀だと語る。
「トランプ氏は一貫して絶対的に恐れ知らずなプロの嘘つきです。自分の健康について嘘をついた過去がある。トランプ氏については疑いを持ち続けなければならない。彼はコロナウイルスに感染しているかもしれないけれど、嘘をついている可能性もある。彼は病気で同情を得られることを知っているのです。彼はこれを武器にしようとしているのです」
(He is a consistent, absolute, unrelenting, fearless, and professional liar. A serial liar. But Trump has a history of lying about his health. So we must be skeptical. We must always remain skeptical when it comes to Trump. He may have it. But it’s also possible he’s lying. He knows being sick tends to gain one sympathy. He’s not above weaponizing this.)
実際にトランプ大統領のTwitterのリプライを見てみると同情の声も寄せられている。この「陰謀論」について、日本のネット上では「多分トランプ大統領が再選するだろうから、マイケル・ムーア監督の次回作に期待」「負からの復活でヒーローになるのはアメコミのセオリーだし、金持ちの支持者は飛び付く」などの声が上がっている。
ニューズウィーク日本版編集長・長岡義博氏は、ムーア氏がSNSに書く内容に注目しているという。
「ムーア氏は、前回の大統領選で皆がヒラリー氏が当選するだろうと思っていた中で、トランプ大統領の当選を予言していた数少ない人物。ムーア氏は選挙の趨勢(すうせい)を握ったラストベルト(米国中西部から北東部にある重工業などの主要産業が衰退した地帯)の出身で、ラストベルトの人たちの気持ちやトランプ氏をよく理解する人物だ」
また「嘘と言い切ってしまうのは言いすぎ」とした上で、長岡氏はムーア氏の主張をこう分析する。
「嘘とまで言えるかは微妙。だが、支離滅裂とまではいかないものの、トランプ大統領が首尾一貫した発言をしない人であることは間違いない。例えば中国について、香港や台湾の前では『中国の統制政治は良くない』と言いながら、習近平主席の前では『あなたは素晴らしい指導者だ』とほめたり、『ウイグルの弾圧は正しい』などと矛盾することを平気で言う」
「なぜトランプ大統領がそう(矛盾することを)言うのかというと、目的のためなら手段を選ばない人物だから。今回もトランプ大統領の最大の目的は再選だから、再選のためにコロナ感染を最大限利用する可能性がある。ムーア氏もこのことについて警鐘を鳴らしているのでは」
トランプ大統領について「疑いを持ち続けなければならない」とつづったムーア氏。注目のアメリカ大統領選挙は11月3日に迫っている。
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側