ゴールが決まった瞬間、「あれはGKは取れない…」とネットが騒然。“ゴールニア上”に突き刺さった神コースシュートがいま、話題を呼んでいる。
2018年7月、スペインのFCバルセロナからJリーグ、ヴィッセル神戸へ加入したアンドレス・イニエスタ。わずか1カ月前までロシアW杯でスペイン代表の主力としてプレーしていた選手は、神戸でも世界クラスのテクニックを披露してサポーターを魅了。昨シーズンは天皇杯初優勝の立役者になった。
イニエスタと同じ2018年に来日し、チームを牽引し続けるスペイン人の助っ人選手がFリーグにも存在している。ボルクバレット北九州のウーゴ・サンチェスだ。先週行われた立川・府中アスレティックFC戦では角度のない場所からゴールニア上というまさに神コースへシュートを突き刺した。
■スペイン1部で11年プレー
ゴールが決まった後の視聴者のコメント欄には「あれはGKは取れない…」「ウーゴ、すげえ」という書き込みで埋まった。
「ウーゴ・サンチェス」と聞くとかつてメキシコ代表としても活躍し、アクロバティックなプレーをしていた彼を彷彿としそうだが北九州のウーゴ・サンチェスはそうではなく玄人好みな選手。
ウーゴ・サンチェスは北九州の馬場源徳監督がスペインのサンティアゴでコーチを務めていた時の選手で、フットサルの本場スペイン1部リーグで11年もの間プレーしてきた実力の持ち主だ。2018年に馬場監督のラブコールに応え、当時F2(2部)に所属していた北九州に入団した。
その後はチームの中心選手として北九州の昇格に貢献。初めてF1を戦う今シーズンもチームを牽引し、ピッチ上で一際強い存在感を放っている。来日3年目の今では日本語もペラペラ。インタビューも通訳なしで一人で受け答えをする。
ちなみに、解説の稲葉洸太郎氏によるとLINEの登録名は「宇悟 山崔須」。チームメートが考案した当て字を気に入って使用しているそうで日本の文化をこよなく愛している。
馬場監督はスペインフットサルのようなハイプレスを目指している。ウーゴ・サンチェスは「日本の文化はこのフットサルをするために時間がかかると思うので練習からみんな頑張っている。ちょっとずつスペインみたいなフットサルをやると思います」と、監督の戦術を体現するためチームのタクトを担っている。
そんなウーゴ・サンチェスは同じくスペイン人で司令塔のイニエスタのようにチームをタイトルに導くことができるか。今後も彼のプレーは必見だ。
文/舞野隼大(SAL編集部)
写真/高橋学