強烈なパンチを何発ももらって意識は朦朧、足元はフラフラの選手に対して、レフェリーが試合続行の不可解な指示。その後に喫した危険な大の字ダウンでTKO決着となったが、“予想できた”危ない展開を招いたレフェリーの判断に対して、ネットでは批判の声が集中している。
10月16日に放送されたONE Championshipのシンガポール大会「REIGN OF DYNASTIES II」。モハメド・ビン・マムード(マレーシア)とハン・ズーハオ(中国)のムエタイ戦。両者アグレッシブな激闘型ファイトスタイルということもあり、試合は序盤から近い距離で激しく打ち合う展開に。
2ラウンド、ズーハオがプレッシャーを強め、マムードがケージを背にして戦う場面が目立ちはじめる。狭い距離からコンビネーションで応戦したマムードに対し、ズーハオが顔面への前蹴りなど、厳しい攻めで応戦する。
試合が大きく動いたのは2ラウンド終了間際、残り30秒。マムードの左ミドルに合わせるようにズーハオが右ストレートでアゴを撃ち抜いた。衝撃の大きさに思わずのけ反ったマムードは、足元フラフラ状態で後ずさり…「ダメージがある」と判断したレフェリーが、“少し遅れて”スタンディングダウンを宣告。カウントを聞くマムードは、すでに意識が朦朧とした様子だ。
試合が再開され、残り15秒。マムードが力を振り絞りパンチの連打を放つが威力は弱い。必死の反撃をスウェイバックでかわしたズーハオが体勢を戻しながら強烈な右を当てると、そこからマムードはケージに串刺しに。ケージに寄り掛かるようにして辛うじて立っている状態のマムードにスタンディングダウンが宣告された。
明らかにダメージは大きく、足元はおぼつかない。ABEMAで解説を務めた大沢ケンジが「揺れてますね…」とマムードの状態を心配すると、視聴者からも「子鹿やん…」「フラフラ」「無理」「あかん」の大合唱。カウントを聞き腕を上げたマムードだがその力は弱く、拳を握る様子も見られない。しかし、レフェリーはリング中央にマムードを引き戻すと試合続行を指示。絶体絶命のマムードだったが、ここはラウンド終了のゴングに救われた。
とはいえ、ゴングを聞き、コーナーに戻るマムードはフラフラ。視聴者からは「網があるから立ててるだけ」「レフェリーなにしてんねん」「足を見ろよ足」とマムードのダメージの大きさを指摘する声が多数寄せられる状況だ。大沢ケンジが「きれいな右を貰って(マムードの)ダメージ深いですね。けっこう効いてますよ」とコメントする中、3ラウンドが開始された。
やはり、ダメージは抜けきっておらずマムードの動きは鈍い。インターバルを挟んだにも関わらず足元はフラフラだ。「もうTKOでいいんじゃない」「ダメージ抜けないだろう」「もう時間の問題」といった声が聞かれる中、再びズーハオの強い右、さらに左が炸裂するとマムードは真後ろに倒れ、大の字になってマットに沈んだ。
実況の西達彦アナウンサーも「もう止めてもいいダメージの深さがありますよ」と話すほどだったが、マムードがフラフラと立ち上がりファイティング・ポーズ。「おいセコンド」「危ない」「止めて止めて」などのコメントが殺到したところで、ようやくレフェリーがゴングを要求した。
早い時点から、マムードのダメージの大きさは明らかだった。この試合をさばいたレフェリーの“ダメージの見極めの遅さ”に対して、ネットからは「このレフェリー下手だよ」「ひどいレフェリーだ」「前のラウンドでストレート二回撃ち抜かれてるから無理」など厳しい声が相次いでいる。