EXIT兼近「映画館で観たほうがエモいし、刺さる。それをどう伝えるのか」コロナ禍で苦境のミニシアター、日本の映画文化をどう守る?
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 先週16日に公開されたアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の初日から3日間の観客動員が340万人超、興行収入も46億円超という大ヒットを記録している。

 そんな中での明るいニュースに、加藤官房長官は「コロナ禍における映画産業に大変大きな貢献をいただいていると思っている。政府としては感染拡大防止を前提としつつ、エンタメ産業の需要喚起に努めていきたい」とコメント。ニューヨーク・タイムズ紙も「同じ期間に日本を除く全世界で公開されているすべての映画の収入よりも多い」と驚きをもって報じた。

・【映像】ユーロスペース支配人「ミニシアターも厳しい状況」映画業界の現実 国の支援は手薄すぎ?

■「映画館は安全で、皆が楽しめる場所になっているということが証明された」

EXIT兼近「映画館で観たほうがエモいし、刺さる。それをどう伝えるのか」コロナ禍で苦境のミニシアター、日本の映画文化をどう守る?

 とはいえ、映画業界には新型コロナウイルスによる危機的状況が続いている。映画会社は軒並み減収、制作現場でも群衆シーンを避ける、スタッフを絞るなどの感染防止対策を余儀なくされるなど、制約のある中での難しい撮影が続いている。観客の入場制限などの対策を取る映画館も同様だ。

EXIT兼近「映画館で観たほうがエモいし、刺さる。それをどう伝えるのか」コロナ禍で苦境のミニシアター、日本の映画文化をどう守る?

 22日の『ABEMA Prime』に出演したミニシアター「ユーロスペース」(東京・渋谷)の支配人・北條誠人氏は「持続化給付金などだけでは家賃や人件費を払いきれない。ミニシアターは単に映画が好きだという気持ちで、平時からギリギリのところでやってきた。4月の緊急事態宣言以降、閉館の間は売上ゼロになり、5月下旬頃には3つのミニシアターが閉館、廃業を決断した。6月1日から上映を再開し、回復してきてはいるが、これから年末にかけて2館くらいが閉館するかもしれないと聞いている。恐いのは年度末だ。資金繰りも厳しくなってくると思う」と窮状を訴える。

EXIT兼近「映画館で観たほうがエモいし、刺さる。それをどう伝えるのか」コロナ禍で苦境のミニシアター、日本の映画文化をどう守る?

 「ユーロスペースの場合、感染が拡大してきた2月時点で、前年比で83%に落ち、翌3月には一気に59%まで落ち込んだ。4月は7日間しか上映ができず、3%だった。上映再開時には、お客様の中に映画館に対する渇望感や作品にも恵まれたことで88%にまで復活した。しかし7、8月は“第2波”という観測や、外出に対する再度の自粛意識が広がり、再び下がってしまっていった」。

EXIT兼近「映画館で観たほうがエモいし、刺さる。それをどう伝えるのか」コロナ禍で苦境のミニシアター、日本の映画文化をどう守る?

 その上で、『鬼滅の刃』のヒットについては「4月以降、私たちの気分が下がるばかりだった。お客さんがなかなか帰ってこないし、とりわけ全国のミニシアターを支えてきたシニア層が映画館から離れてしまった。そういう現状を考えれば、『鬼滅の刃』のヒットはとてもありがたい。幅広い年齢層の人が観ていらっしゃるというのは素晴らしいことだと思うし、私たちが欲しがっている年長のお客様方にとっても、映画館は安全で、皆が楽しめる場所になっているということが証明された。今後、私たちミニシアターにとっても追い風になるのではないかとポジティブに受け止めている」と話した。

■EXIT兼近「映画館で観たほうが圧倒的にエモいし、刺さるということをどう伝えるか」

EXIT兼近「映画館で観たほうがエモいし、刺さる。それをどう伝えるのか」コロナ禍で苦境のミニシアター、日本の映画文化をどう守る?

 『淵に立つ』『よこがお』などで知られる深田晃司監督は、他国と比較して日本の映画業界への助成金が少ない上に使いにくいことを指摘。興行収入の一部を業界に分配するチケット税など、業界全体を支える仕組みの導入や、教育への映画文化の取り入れなどを訴えている。

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 北條氏も「それぞれの国が映画をどう考えているのかが金額に出ていると思う。『鬼滅の刃』にしても、一人で小さなモニターで観るのと、他の人たちと一緒に、劇場のスクリーンで音圧を感じながら体験を共有できる幸せには違いがあると思う。その幸せを感じられる国に自分がいるのだろうか、ということだと思う。また、コロナ禍での文化庁の助成金は”イベント”に対する助成になっているので、イベンターとっては厚い支援になると思うが、私たちのように映画上映の活動をする人たちにはなかなかリーチしにくい制度になっている。この劇場への支援の在り方については文化庁の方とお会いする機会もいただけているので、これから少しずつ前に進んでいきたいと思っている」と話す。

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 一方、チケット税については「果たしてこの考え方が業界全体に共有できる考え方になるのかどうかは疑問だ。とりわけ助成がインディペンデント、中小、零細までを含めた企業や作り手に対するものだという考え方になってくると、大手の人たちからの理解を得るのが難しいという問題もある」とした。

 フリーアナウンサーの柴田阿弥は「支援はあったほうがいいと思うが、みんなが苦しい中、特定の業界だけを守るのは難しいし、長い目で見れば支援ありきの業界は持たないと思う」と指摘。

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 お笑いコンビ・EXITの兼近大樹は「ミニシアターについて、どれだけ魅力的なもので、どれだけ皆が残したいと思うかが大事だと思う。僕らは、“DVDもNetflixもあるし、もう映画館に行かなくてもいいじゃん”という世代だし、ミニシアターの魅力が伝わってきていない。それでも、映画館で観たほうが圧倒的にエモいし、刺さるということはある。その魅力をどう伝えていくかというところはすごく大事だと思う」とコメントしていた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

ユーロスペース支配人「ミニシアターも厳しい状況」映画業界の現実 国の支援は手薄すぎ?
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