「ありのままの自分になっている気持ち」 “女装サブスク”の利用者を直撃 マウンティングから解放されラクに生きるきっかけに?
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 商品やサービスなどを一定期間利用することに対して代金を支払う、いわば定額制サービスの「サブスクリプション」。多様な業界で注目されるビジネスモデルだが、こんな分野でも…。

【映像】“女装サブスク”の利用者を直撃

 「女装に必要なセットを、すべてお届け」。「ガールズクローゼット」は日本全国の男性を対象にした、女装セットを郵送でレンタルできる「女装サブスク」だ。今年7月にサービスが開始され、現在およそ100人が利用している。

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 レンタルできる洋服は300着以上。「肩幅や腕がごつく見えないよう」こだわって厳選した普段着やコスプレなど、様々な種類をそろえている。今まで一度も女装をしたことがない人でも気軽に始められるよう、メイクセットもプレゼント。女装レッスンの動画を見て、化粧を楽しく学べるという。

 埼玉県に住む大学院生のなおさんも、そのうちの1人。自粛期間中だった5月頃に女装に興味を持ち、9月に女装デビューした。

 『ABEMAヒルズ』の取材に対し、なおさんは実際に女装姿を見せてくれた。女装する前の気持ちは「やっぱりわくわく」だといい、この日のコーディネートやメイクのポイントについて「清楚系をイメージして、お姉さんみたいな。目が大きくなるようにちょっと黒めのアイシャドウを外側に塗って…」と話す。

 男性の姿の時は極度の人見知りで、自分に自信がないと話すなおさん。女装をすることで、大きな変化があったという。

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 「ありのままの自分になっているような気がしますね。男の子というよりは、やっぱりかわいい姿のほうが『自分はその姿でいたい』って思います」

 ありのままの自分。実はこのインタビューの前日、なおさんは同居する母親に女装が趣味だとカミングアウトした。

 「最初は気持ち悪がられるかなと思ったんですけど、(お母さんは)『あなたが楽しんでいるならそれが一番だから別にやめなさいとかは言わないよ』『ひとつの趣味なんだよね』って」

 母親に趣味として認めてもらえたことが「すごくうれしかった」と喜ぶなおさん。令和になり一人ひとりの個性が尊重される時代で、「もっと手軽に女装を楽しんでほしい」とガールズクローゼットの亀井有希代表は話す。

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 「日本全体で女装がもっとカジュアルな、当たり前なものになってもらえたら、皆さんももっと女装しやすくなる環境になりますし、そういう時代に少しずつ近づいているという実感もある」

 多くの人は変身願望を持っているのか。明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖氏は「普段我々は自我、言葉を変えれば理性を保って生活しているわけだが、男女はその最たるもので、“男である”“女である”という前提で生まれてから今に至るまで来ている。ある種、一番身近なグループ分けだが、反対側には簡単にはいけないという中で、女装で見た目を変えることで普段の自我や理性、区分けから解放されて、無意識の中にあって普段は自覚できない衝動や欲動、価値観に気づく体験にもなると思う。自己表現の幅は人が健康的に行きていくためには大事だ」との見方を示す。

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 また、「マウンティング」からの解放にもなると指摘。「心理的マウンティングは、自分と人とでどちらが上だ・下だと感じることだが、根底には自分と人を比べたり、人の目を気にしていたりということがある。女装して自分が楽しければいい、嬉しければいい、ワクワクすればいいという発想は、無意味なマウンティングからの解放だと思うし、劣等感や虚栄心を捨てて今よりも楽に生きることにつながりうる」と述べた。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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