Fリーグ立川・府中のユニフォームを見た視聴者から“鬼滅ユニ”へのリアクションが殺到した。
子どもから大人まで、日本中を虜にしているアニメがある。鬼滅の刃だ。10月16日に公開された映画「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」の興行収入が157億円に到達したという。実際、街を歩けば“鬼滅”キャラクターの羽織りにちなんだ和柄のアイテムを身につけた子どもたちをいたるところで目にする。
先日は、フットサルのトップリーグの会場でもそんな光景を目にした。しかも、ピッチで戦う選手が“鬼殺隊”のようだったのだ。立川・府中アスレティックFCのユニフォームが、主人公・竈門炭治郎が着る緑と黒の市松模様の羽織りと酷似していた。フットサル選手が、“鬼滅ユニ”をまとって戦っていた──。
■なぜ竈門炭治郎の羽織のようなデザインに…
ただ、このユニフォームは、決して“鬼滅フィーバー”に乗っかったものではないのだという。今シーズン、クラブ創設20周年を迎えた立川・府中は、もともと府中を拠点に活動していたが、2018年から立川をホームタウンに加えることになった。そんな彼らは、毎シーズンのようにユニフォームのデザインをアップデートしてきたが、今シーズンは応援旗でもある「チェッカーフラッグ」をモチーフにしたという。
1stユニフォームは、チームカラーのブラウンと白のチェック柄、そして2ndユニフォームは、立川市の市章色の紺と、府中市の市章色の緑をベースとしたチェック柄でデザインされた。鬼滅の刃は「黒と緑の市松模様」で「立川・府中は紺と緑のチェック柄」。やはり似て非なるものなのだ。
とはいえ、両者には共通点を見出すことができる。
鬼滅の刃といえば、炭治郎を筆頭に、禰豆子や善逸、伊之助、それに、冨岡義勇、煉獄杏寿郎、悲鳴嶼行冥、不死川実弥、胡蝶しのぶなど、“柱”と呼ばれる最高位のリーダー9名、さらには登場する敵にいたるまで個性豊かなキャラクターと、彼らの背景にある想いの深さが共感を集め、世代を超えた人気を集めている。
立川・府中も同じだ。
炭治郎のように、真面目で熱血で、何事にもまっすぐに突き進む日本代表・皆本晃。甘露寺のようなピンクの髪色と不死川のような技を繰り出す完山徹一、蝶のように舞い毒を突き刺す胡蝶のように、一撃でゴールに沈める渡邉知晃、俊敏さと隠密性を持つ宇髄のように、鋭いテクニックを繰り出す内田隼太、伊之助のようなムードメイクと猪突猛進のプレーが際立つ酒井遼太郎、リーダーシップを持つ煉獄のように、キャプテンとして熱い闘志を見せる上村充哉、刀を持ち始めてわずか2カ月で柱となった無一郎のように躍動する若手選手たち……挙げはじめたらキリがないほど個性豊かな選手たちが、ピッチで異彩を放っている。
一世を風靡するのは“キメツ”だけじゃない。大ヒット中のアニメに勝るとも劣らないインパクトをもつ“アスレ ”も、見どころ十分。ユニフォームだけじゃない。ピッチで全集中する選手の呼吸をぜひ味わってほしい。
文・舞野隼大(SAL編集部)