西加奈子の小説を矢崎仁司が実写化した映画『さくら』が11月13日に全国公開される。ごく普通の家族・長谷川家と愛犬サクラが、残酷な運命に翻弄されながらも強く生きていく姿を描いた物語。櫻坂46の小林由依は、小松菜奈扮する長谷川美貴の親友・大友カオル役を演じる。
同作では一家の次男として生まれた主人公・薫を北村匠海(DISH//)、容姿端麗で破天荒な妹・美貴を小松、ハンサムで人気者の兄・一を吉沢亮が演じた。そして寺島しのぶ、永瀬正敏が長谷川家の両親役を務める。実力派の俳優陣が名を連ねる中、オーディションでカオル役を勝ち取ったという小林が、本作の撮影を通じて感じたものとは何か。話を聞いた。
“埼玉の狂犬”を思い出すファンも?
櫻坂46の前身グループ・欅坂46の1期生として2015年8月に芸能界デビューした小林。2018年の『NHK紅白歌合戦』で平手友梨奈の代理でセンターを務めるなど、高いパフォーマンス力でグループをけん引してきた。本作で女優としてスクリーンデビューを果たす。
ーー小林さんから見て、カオルはどんな女の子でしたか?
小林:私が演じるカオルはとても芯が強い子で、自分の気持ちをはっきりと持っています。その姿は素直に“かっこいい”と感じたので、私も堂々と演じられるようにと思っていました。
ーー仰る通り、カオルからは自分らしく生きる“強さ”を感じました。その姿はどこか欅坂46でパフォーマンスする小林さんの姿と重なる部分があったように思います。
小林:カオルが発する言葉は、欅坂がこれまでパフォーマンスで伝えてきたこととリンクしていると思いましたし、今回は私自身がカオルになって伝えたというか……演技に活かす事が出来たし、グループ活動を続けていて良かったと思いました。
ーー劇中では卒業式の日に全校生徒の前でマイクを握りしめ発言する姿が印象的でした。
小林:あの場面は伝えようとして伝えているのではなく、自分の中に抱えていた思いがどんどん溢れてくるシーンだったので、観てくださる方にも、そういう風に感じていただけるようなお芝居が出来たらいいなと思っていました。このセリフをこのタイミングで自然と言うにはどうしたらいいか…そんな事を考えながら現場にいましたね。
ーー同じ学校の生徒を蹴飛ばすシーンもありました。“埼玉の狂犬”というキャッチフレーズを思い出すファンも多いかと思います。
小林:そうですね(笑)。「ガラスを割れ!」(欅坂46の6枚目シングル表題曲)の振り付けでもそういうシーンはあるので、もしかしたらファンの方は見慣れているんじゃないかなと思います。
撮影中は緊張で手が震えていた
ーー劇中では小松菜奈さんとのシーンが多かったですが、共演していかがでしたか?
小林:ずっとテレビや映画で観ていた存在だったので、最初は「本物だ」って感じだったんですけど、小松さんは原作を読んで想像していた美貴そのものの姿で現場に立っていたので、“さすが女優さん”だと圧倒されました。刺激を受けました。
ーー撮影のオフの時間では会話も?
小林:作品に対しての会話はなかったんですけど、世間話をしました。学校で撮影する時は、お互いの学生時代の話をしました。私は吹奏楽部だったんですけど、小松菜奈さんも吹奏楽部に所属していたみたいで、そういう共通点がありました。
ーーでは映画初挑戦とはいえ、割とリラックスしながら役を演じることが出来た?
小林:いえ、私はだいぶ緊張していました。撮影中はずっと手が震えていました。
ーー堂々と演じていると思いましたが、そんな状態だったんですね。
小林:そうですね。この映画は経験豊かな役者の方と一緒にお芝居をして作品を作っていく初めての現場でした(撮影時期は2019年の春頃)。錚々(そうそう)たる役者さんたちのお芝居を直近で見て『すごいな』と思いましたし、凄みを感じました。
ーー以前、冠番組『欅って、書けない?』(テレビ東京)での“早泣き対決”では即座に大粒の涙を流してましたし、出演されたコント番組『猿以外の惑星』(NHK BSプレミアム)でも高い演技力を見せていました。演技には自信があるのかなと思っていましたが、現場ではそんな思いを抱えていたんですね。
小林:やっぱり、役者さんの表現力ってすごいなと感じました。撮影を通じ勉強させていただくことが多かったです。
“家族への愛”を再確認できるような映画
ーーずっと緊張していたとのことですが、撮影中なにかほっこりしたエピソードはありましたか?
小林:長谷川家のシーンでカオルも一緒に食卓を囲むことがあったんですけど、お父さん役の永瀬正敏さんがユーモアがあって面白かったです。私はそこでも緊張していたので、具体的なことは覚えていないんですけど(笑)、和んでいたことは記憶しています。
ーーやはり相当な緊張を抱えながらの撮影だったんですね。実際に完成した作品を観て何を思いましたか?
小林:家族のあり方がリアルに描かれているので、自分の家族と照らし合わせることが多かったです。日常を過ごす中で忘れてしまっている“家族への愛”というか、そういうものを再確認できるような映画だと感じました。自分自身も“今、伝えたいこと”をちゃんと伝えなくちゃいけないなと改めて思いました。
ーー今回の映画初出演を皮切りに、今後女優業に挑戦したい思いは膨らみましたか。
小林:櫻坂46のメンバーとして作品に出させていただくことでグループに還元できることもあると思います。グループに興味を持っていただける“入り口のような存在”になれたらいいなと思いますし、自分の中でも何か一つ確立するものが作りたい気持ちもあるので、今後もお芝居に挑戦していけたらいいなと思います。
ーーメンバーにとっても、そんな小林さんの姿は刺激になると思います。最後に櫻坂46で「期待すること・やらなくてはいけないこと」を教えてくれませんか。
小林:自分たちの力で、また1から新しいグループを伝えていかなくちゃいけないという責任感はあります。一方で可能性にワクワクしているというか。
ーー新2期生の6人もこれまでのメンバーとは違う雰囲気を持っていますし、グループとしてまた変化した姿を提示してくれるんじゃないかなという期待感がすごくあります。
小林:そうですね。ラストライブをすることで区切りは付けられると思います(※取材は欅坂46ラストライブ前に実施)。改名後も私たちの姿を通して、皆さんの心に何かを伝えられるようなグループに成長していきたいです。
テキスト:中山洋平
写真:藤木裕之
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— ABEMA TIMES (@ABEMATIMES) November 9, 2020
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締切:11月15日(日)✅#映画さくら
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