「自粛を強めることでの経済の冷え込みの方が心配だ。緊急事態宣言や北海道の“GoTo”除外はすべきでない」京大・宮沢准教授
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 東京や北海道、大阪、愛知などを中心に、新型コロナウイルスの新規感染者が増加傾向にあり、これを“第3波”の到来と見る向きもある。

 西村康稔経済再生担当相は12日「初めての冬を迎えるに当たって感染の増加傾向が顕著になっていることについて、強い危機感を分科会の専門家の皆さんと共有した」、そして東京都の小池知事も「ここは正念場。皆さんに“感染対策再徹底”へのご協力を改めてお願い申し上げる」と訴えた。

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 一方、菅総理は13日朝、「自治体とも緊密に連携しながら、最大限の警戒感を持って自治体の感染状況に応じた対策を実施するよう指示をした。政府としては感染が拡大している地域において大規模・集中的な検査やクラスター対策、専門家の派遣、保健師の広域的な派遣調整など、自治体の感染防止に向けた支援を検討している」としつつも、「緊急事態宣言やGo To キャンペーンの見直しについては、専門家も現時点においてそのような状況にはないとの認識を示している」と述べている。

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 現状について、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授は「前回、前々回の波を“第1波”、“第2波”と呼ぶならば、これは“第3波”と言えるのかもしれない。まさに私が予想した通りだ。東京で言えば、いわゆる“夜の街関連”のクラスターは夏前に一巡してしまったので、次に出るとすれば、一般の所からだと考えていた。原因は大きく分けて気候と、“もういいでしょ”と油断し、どんちゃん騒ぎをする人たちが出てきていることにあると思う」と話す。

 その一方、「楽観的過ぎると言われるかもしれないし、波自体は前回よりも高くなるかもしれないが、重症者数や死者数は第2波と同じくらいか、それよりも小さくなるのではないか、むしろ、日本はこのような調子で年明け以降も続いていくのではないかと考えている。確かに“寒さ”というファクターはあるものの、皆で新しい生活様式を守り、重症になりそうな人を巻き込まないようにしていれば、手がつけられなくなるということはない」と指摘。

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 さらに「以前から私が訴えてきたように、“体内に入るウイルスの量を100分の1程度にしておけば大丈夫でしょ”、ということだ。そう考えておけば対策は楽になると思うし、むやみな警戒は不要だということが分かると思う。これから忘年会シーズンに入るが、居酒屋に行ってもみんなが普通の声で喋っている分には感染者が爆発的に増えることはないだろうし、これは申し訳ないけれど、酔っ払ってウワーっとなっちゃうような人は飲む量を制限すればいい。家庭においても、感染したかもしれないと思ったなら、家族と食事の時間をずらしたり、ドアノブなどを時々拭いたりする程度で大丈夫だ。お風呂でうつるということもない」と訴えた。

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 また、緊急事態宣言の発出を求める意見や、Go To キャンペーンに懸念を示す意見もあることについて、「この状況にうろたえて自粛を強めてしまえば、経済の冷え込みによって自殺者数が伸びてしまうかもしれない。そのことの方が心配だ」と話す。

 「営業自粛要請などを出すのであれば、クラスターが出ている場所を徹底的にマークし、ピンポイントでやるべきで、他の所まで巻き込んでしまうのはよくない。だからイベントの規制緩和が先送りされたのは残念だ。8月の段階で100%にしておいても良かったと思う。その意味では、北海道をGo To トラベルの対象から外すことにも反対だ。北海道がGo To トラベルにやられたと言っている人がいるが、もともと札幌にあったウイルスが一般の人の間で広がっているだけで、それは全くの濡れ衣だ。ただ、Go To イートによって、“安いし、もっと飲むんだ”ということになってしまうと良くない。ここはちょっと釘を刺しておいた方がいいと思うし、どんちゃん騒ぎしている所に飛び込んで行かないよう注意していれば、感染から逃れることができる」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

「大丈夫と思っている人がどんちゃん騒ぎをして感染拡大している感じ」
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