若きSB王者・川上にRISE王者・大崎が苦戦! 混沌のスーパーフライ級、来年のトーナメントはどうなる?
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 10月にぴあアリーナMM(横浜)、11月はエディオンアリーナ大阪とビッグマッチを連発した立ち技格闘技イベントRISEが、“聖地”に戻ってきた。

 11月14日の後楽園ホール大会、メインイベントにはスーパーフライ級(53kg)王者の大崎一貴が登場した。ムエタイ、KNOCK OUTとヒジ打ちありのルールで活躍してきた大崎だが、ヒジなしのRISEでも実力を発揮。政所仁、田丸辰とRISEスーパーフライ級の2トップを連続で破り、ベルトを巻いた。

 今回はRISE王者として迎える初戦。対峙したのは川上叶だ。川上はシュートボクシングのバンタム級(52.5kg)初代チャンピオンにして20歳の新鋭。実績上位の大崎を喰おうとRISEに乗り込んできた形だ。

【映像】大崎、RISE王者としての初陣

 大崎としては勝つだけでなく勝ち方にもこだわりたい試合。しかし序盤、動きが目立ったのは川上のほうだった。小気味いいパンチで先手を取る川上。対する大崎の攻めは、的確ではあるものの手数が少ない印象だ。

 試合後の大崎によると、やはり「倒さなければ」という思いが先走り、納得できる内容が残せなかったそうだ。

「ボディが効いたのは分かったんですけど、ボディ(攻撃)だけになってしまって。それに単発でした。あそこで倒せる選手にならないと」

 結果としては判定勝利。相手のテンポのいい攻撃に惑わされず、3ラウンドが終わった時にはしっかり差をつけている。そこが大崎の「さすが」と言える部分なのだが、メインイベンターとして、またチャンピオンとしてはそれだけでは満足できないのだ。誰よりも本人が、である。

「倒せる選手、盛り上がる試合ができる選手にならないと。今日みたいな試合ではダメですね」

 大崎にとっては、RISEのチャンピオンベルトが終着点ではない。来年はこの階級でトーナメントが予定されており、そこで優勝するためには今回のような試合では「ダメ」なのだ。本人曰く「この内容では出場できるかどうかも怪しい」。インタビュースペースでは「変わっていかないと優勝はない」と語った。

 ただRISEの伊藤隆代表は「(大崎は)RISEでの闘い方が確立してきた。まだまだ伸び代はあると思います」と評している。ルールの違う舞台で最短でベルトを巻いたこと自体が異例と言えるだけに、大崎はここからまた“化ける”可能性もある。

 加えてこの試合、若い川上もポテンシャルを見せた。それこそまだまだ“伸び代”だらけの選手だ。今回の試合はメインイベントとしては不完全燃焼だったかもしれはい。しかしトーナメントは今日のようにはならないだろうとも思える試合だった。

文/橋本宗洋

【映像】大崎、RISE王者としての初陣
【映像】大崎、RISE王者としての初陣