「評価されるのはありがたい、でも…」勝地涼、お笑いキャラを求められる裏で感じていた葛藤 映画『アンダードッグ』インタビュー

 キャラクターが持つリアリズムは、それを演じる俳優との接近から生まれる。俳優の内面が演じる役に近づけば近くほど架空のキャラクターはスクリーンで立体化し、観る者の心をより揺さぶる。俳優の勝地涼は、映画『アンダードック』(11月27日公開)でそれを成し遂げている。

▶︎動画:『アンダードッグ 』特報

「評価されるのはありがたい、でも…」勝地涼、お笑いキャラを求められる裏で感じていた葛藤 映画『アンダードッグ』インタビュー

 演じたのは、売れないお笑い芸人の宮木瞬。“親の七光り”と揶揄され、与えられた道化というポジションに甘んじながらも、心では葛藤と怒りのマグマを煮えたぎらせている。そんな男がボクシングと出会い、バラエティ番組の企画でプロボクサーの末永晃(森山未來)と一戦交えることになる。

 「無様でカッコ悪くて腐っている男。誰もが共感しやすいキャラクターというか、僕自身も腐りそうになった時期があるので気持ちは凄くわかりました。酒飲んでクダ巻いて他人や環境のせいにして、ふと我に返って“何をやっているんだ?”と自己嫌悪。そんな気持ちがかつての自分にはあったから、今回の作品の宮木瞬という役は凄くいいなぁと思いました」と共感を寄せる。

「評価されるのはありがたい、でも…」勝地涼、お笑いキャラを求められる裏で感じていた葛藤 映画『アンダードッグ』インタビュー

 勝地には明るく陽気で、コメディリリーフとしてのイメージがある。その印象を決定づけたのはNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』で演じたTOSHIYAだろう。あまりにもチャラい言動から、アキ(のん)に“前髪クネ男”と陰で言われてしまう個性的な役柄だった。出演はたった1話だけだったのにも関わらず、強烈なインパクトを残した。

 勝地には「評価されるのはありがたいことです」と喜びがある一方で「でも、むなしくなる気持ちもありました」と複雑な思いがあった。俳優デビューは13歳からと長いキャリアを持ち、それまでも様々な役柄に扮してきた。『あまちゃん』と同時期には大河ドラマ『八重の桜』で白虎隊士の山川健次郎を務めたし、月9ドラマでも重要な役どころを担った。

 しかし先行したイメージは、お笑いキャラクターだった。「周囲から“凄く良かった!”と言われるのは、ちょっとだけ顔を出した『あまちゃん』の“前髪クネ男”のことばかり。それ以降はバラエティ番組に出るにしても、率先してにぎやかキャラを担当させられるようになったりして。そこで断るのは違うと感じて、求められるままにやっていました。でも“こういうポジションばかりで大丈夫なのか?”と悩んだ時期もあります」と打ち明ける。

「評価されるのはありがたい、でも…」勝地涼、お笑いキャラを求められる裏で感じていた葛藤 映画『アンダードッグ』インタビュー

 一瞬でもインパクトを打ち出せるという才覚が認知されたのは、俳優としては勲章ものだ。だが理想と現実の狭間で揺れた。そんな勝地のもがきを誰よりも理解していたのは、10代からの仲である森山未來だった。奇しくも『アンダードック』で拳を交えることになった。

 「未來君は僕の思うようにいかない悩みや尖っていた時期を知っていて、いつも“お前はそんなヤツちゃうけどなぁ”と本質を見てくれていた。だからリング上での殴り合いも未來君から“勝地、わかってるで~!”という愛情を感じました」と盟友の胸を思い切り借りた。

 様々な感情が去来。試合のクライマックスではおもわず号泣してしまった。「もちろん未來君は役柄として対峙してくれたけれど、食らいつこうとする宮木に自分の気持ちがオーバーラップして感情が高ぶったのは、相手役が未來君だったからだと思う。役を演じる上で勝地涼という自意識は余計なものなのかもしれないけれど、その人がやるからこそ演じるキャラクターが立体化するというのはあると思う。今回僕はそれを実感。改めて芝居って面白いと思いました」と忘れがたい瞬間になった。

「評価されるのはありがたい、でも…」勝地涼、お笑いキャラを求められる裏で感じていた葛藤 映画『アンダードッグ』インタビュー

 宮木と人気俳優である父親との冷めた関係性も、人間ドラマとしての見応えを深めている。現実の勝地は、待望の愛息子が可愛くて仕方がない様子。「独身時代はプライベートなんてどうでもいいやと思っていたけれど、結婚して父親になってガラッと変わったというか、“これもやらせたい!あれもやらせたい!”と思ったりして。でもいざ生まれて毎日を過ごしていると、色々と思い描いていた父親としての理想は消えて“元気でいてくれればそれだけでいい!”“ケラケラ笑っていてくれればそれでいい!”になる」と優しいパパの表情だ。

 仕事面でも父親としての心境が頭をもたげるときがある。「未來君はダンスもやっているので、その才能を活かして子供番組に出ていますよね。僕は“自分ができるものは?”と考えるけれど、まだ思い浮かばなない。戦隊モノに出るなどのわかりやすく子供が喜ぶような出演方法ではなくて、“勝地涼だからこそ!”と思われるようなことをしたい。そして一緒に仕事をしてきた人たちから“こうきたか、勝地!”と驚かれたい」とパパになって興味の幅も広がった。俳優生活20年、新たな勝地涼が誕生している。

「評価されるのはありがたい、でも…」勝地涼、お笑いキャラを求められる裏で感じていた葛藤 映画『アンダードッグ』インタビュー
「評価されるのはありがたい、でも…」勝地涼、お笑いキャラを求められる裏で感じていた葛藤 映画『アンダードッグ』インタビュー

ストーリー

 手にしかけたチャンピオンへの道からはずれた今も〝かませ犬(=アンダードッグ)〟としてリングに上がり、ボクシングにしがみつく日々をおくる崖っぷちボクサー・晃(森山未來)。幼い息子には父親としての背中すら見せてやることができず“かませ犬”から“負け犬”に。プライドも粉砕され、どん底を這いずる“夢みる”燃えカスとなった晃は、宿命的な出会いを果たす。一人は、 “夢あふれる”若き天才ボクサー・龍太(北村匠海)。児童養護施設で晃と出会いボクシングに目覚めるが、過去に起こした事件によってボクサーとして期待された将来に暗い影を落とす。もう一人は、夢も笑いも半人前な “夢さがす”芸人ボクサー・宮木(勝地涼)。大物俳優の二世タレントで、芸人としても鳴かず飛ばずの宮木は、自らの存在を証明するかのようにボクシングに挑む。 三者三様の理由を持つ男たちが再起という名のリングに立つとき、飛び散るのは汗か、血か、涙か!?

テキスト:石井隼人

写真:You Ishii

(C)2020「アンダードッグ」製作委員会

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