プロの総合格闘家が、試合開始わずか2分で突然ヒザをつき、ガス欠。完全に動きが止まったところに強烈な連打を浴びて、フルボッコ状態に…。レフェリーストップによるTKO負けを喫する衝撃的な幕切れに「スタミナなさすぎ」「なにこれw」などファンが騒然とする試合があった。
11月20日にシンガポールで行われたONE Championship「ONE:INSIDE THE MATRIX IV」でブルーノ・プッチ(ブラジル)とクォン・ウォンイル(韓国)が対戦。1ラウンド、クォンがパンチの連打で快勝するも、開始2分でスタミナを突然切らし、“戦闘不能”状態になったプッチに対し、視聴者から「スタミナなさすぎ」「バテるの早いよ」など、厳しい意見が寄せられた。
2010年のノーギワールド優勝者で、ONEのスター選手であるアンジェラ・リーの夫としても知られるプッチは、1年前の上久保周哉戦での判定負けからの再起戦。妻の出産を控え久々の試合を白星で飾りたいところ。対するクォンは、DEEPなど日本での試合経験もあるテコンドーをベースとしたストライカー。ONEでは過去に今成正和や松嶋こよみ、佐藤将光などの日本人選手と対戦。いずれも敗戦を喫している。
試合開始とともに勢いよく飛び込んだプッチがタックルを見せると、それを難なく切ってみせたクォン。再び正面からプッチがタックルを仕掛けるも、クォンはこれも冷静に対処し、スタンドの攻防に持ち込む。
それでもプッチが3度目のタックルを仕掛けると、一本調子の攻めにABEMAで解説を務めた大沢ケンジも「プッチ少し雑ですね…」とコメント。組み合いの展開でプッチが左から差してテイクダウンを狙うが、寝技に持ち込まれたくないクォンも粘りをみせる。
開始1分半、ケージ際で組み合っていたプッチに異変が見え始める。組み合いからズルズルと姿勢が下がり、攻められていたはずのクォンが逆に羽交い締めの体勢に。または、プッチが自ら強引かつ投げやりに組みに行ったようにも見えたことから、解説席からは「あれ、何してるの?」と困惑の声。さらに視聴者からも「苦しそう」「疲れてない?」「不思議な試合だな」など、異変を察する反応が。
次の瞬間、不安の声が現実のものに。大きく背中で息をしながら、自らヒザをついて息も絶え絶えのプッチ。完全なガス欠で戦闘不能に陥ったプッチに実況の西達彦アナウンサーが「明らかにガス欠!」と叫ぶと、クォンがボディ、右アッパー、左右のアッパーを容赦なく叩き込んでフルボッコ状態に。もはや反撃の力が残っていないと判断したレフェリーが、試合をストップした。
まさかの大失速劇にファンからは「バテた」「スタミナなさすぎ」「なにこれw」「分かりやすく諦めたな」など厳しい声が。大沢が「プッチが打撃をやりたくないのが見えすぎた試合ですね」と打撃戦に消極的な姿勢に苦言を呈すと、西アナの「(プッチは組み合いから)離れた途端に気持ちが折れかけていましたね」との問いかけに、ゲスト解説の中原由貴も「倒そうとして体力を使ってしまったんでしょうね…。それでガス欠になってしまった」と序盤から徹底してテイクダウン狙いだったプッチの戦術をガス欠の原因に挙げつつ、見事に仕留めたクォンに対しては「あそこでボディが打てるのは凄いですね。ストライカーです」と称賛した。