女子MMAに身長174センチ、手足の長さを活かした打撃を得意とする美女ファイターが登場。リングインするや否や「顔が綺麗」「一般人かな」「かわいい」などの声が相次ぎ反響を呼んだが、容赦ないパウンドをもらい3ラウンド残り30秒、無念のレフェリーストップでTKO負けを喫した。
11月20日にシンガポールで行われたONE Championship「ONE:INSIDE THE MATRIX IV」でマイラ・マザール(ブラジル)とチェ・チョン・ユン(韓国)が対戦。この試合でファンの注目を集めたのが、身長164センチのマザールに対し、174センチのチェ。二人が向き合うなり「階級が違いすぎる」との声が上がったほどの体格差。そして、格闘家としてはどこか控えめなチェの佇まいだった。
チェはテコンドーやキックボクシングの経験はあるが、この日がONEデビュー戦という未知の選手。入場シーンは他の選手と比較するとかなり控えめで、初参戦とは思えない落ち着きも。リング上でコールを受けても静かに微笑みながら頷くだけ。そんな姿に試合前にもかかわらず、ファンからは前述のような反響が相次いだ。対するマザールは、ONEで日本の三浦彩佳と対戦し敗れたものの、散打ベースの打撃系から柔術までを極めるなど、ONE女子選手の実力者の一人だ。
この両者が向き合うと、相手を見下ろすかのようなチェの身長の高さが際立つ。二人の体格差にファンも反応し「意外とでかい」「この身長差で戦いたくない」といった反応が。さらにABEMAで実況を務めた西達彦アナウンサーが「なかなかこの階級でこれだけの背丈はいませんよね」とチェの恵まれた体格について言及すると、解説の大沢ケンジも「日本人男性の平均身長よりも高い。日本人男性の平均身長を調べたら171センチでした」と応じた。
高さとリーチを活かした戦いが期待されたチェだったが、試合が始まると百戦錬磨のマザールが試合を支配。アグレッシブな攻めを見せ、いきなりチェの距離を潰し両足を蹴り上げてバランスを崩すと、ケージに追い込みガッチリと組んでチェの動きを封じる。
打撃系の選手との触れ込みだったチェだが、思いのほか打たれることを怖がる場面も見られ、大沢も「チェ選手は顔面パンチに対する耐性が少ないかもしれませんね。怖がってますね」と指摘。その後も積極的に前に出るマザールのパンチを怖がり、顔をそむけるシーンも見られた。
ラウンド中盤にはマザールにテイクダウンを許しサイドポジションを奪われたものの、長身を生かした高さのあるブリッジでマザールを持ち上げながら回転すると、一転してトマウントポジションへ。これには大沢ケンジ、ゲスト解説の中原由貴が揃って「身体が強い」と驚く一幕も。さらに大沢は「ブリッジはお腹でどれだけ高さを作れるかどうかで、返せるかどうかが決まってくる」と話し、チェが自身の体格を生かし、状況を打開したことを評価した。
2ラウンドに入ってもマザール優勢は変わらない。しかし、テイクダウンを奪うものの、規格外の長い脚を活かして抵抗するチェに攻め手を欠く展開が続く。実力差は明らかだが、体格差による影響は大きいようだ。
最終3ラウンド、マザールに防戦一方だったチェのスタミナ切れが顕著になる。こうなると体格差は意味をなさず、チェのしがみつくだけの消極的な姿勢に大沢も「気持ちはだいぶ前から折れてますね。全然向かってくる感じじゃない」とコメント。その言葉どおり、マザールのマウントからの打撃を一方的に受け続けたところでレフェリーが試合を止めた。
ストロー級ランキング5位のマザールを相手になす術もなく敗れ、ホロ苦デビューとなったチェだが、同階級にはない恵まれたサイズ感は魅力。そんなチェに大沢も「手足が長いのは持って生まれたもの」と話し、未知のポテンシャルに期待を寄せていた。