狂おしきXXXテンタシオンの評伝、『ぜんぶ間違ってやれ』本日11月25日発売! 話題をさらった『くたばれインターネット』の著者が、事実に即した言葉を頼りに描く、21世紀のシンパシー・フォー・ザ・デヴィル
男は天才であり、稀代の悪党だった
10代なかばでサウンドクラウドに上げた曲が
そしてビルボードで1位になるときには獄中だった
ポップスターになる条件がすべて揃ったところで
過去がものすごい速さで彼を元いた場所へと引きずり戻した
20歳になる前に彼は社会的制裁を受け
そして20歳になると彼は首に銃弾を撃ち込まれて死んだ
しかし彼の死後、彼の曲はヒットした
サブスクではクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を抜くほどに
つまりこういうことだ。
人の為し遂げることに報いなど存在しはしない。
地位、権力、名声、金。
すべてクソだ。
だから僕はこうアドヴァイスする。
ゲームに疑いようもなく裏があり、
しかも、目に見えない社会的圧力が
こちらの行動まで規定してくるような場面では、
できることは一つしかない。
ぜんぶ間違ってやれ。
──本書より
『くたばれインターネット』の著者が描く異色のXXXテンタシオンの評伝。夭折したラッパーの生涯を通して問うネット社会や音楽シーンの意味と人種問題、あるいは、現代への痛烈な批判とテンタシオンへの思い
解説:二木信
[商品情報]
『ぜんぶ間違ってやれ──XXXテンタシオン・アゲインスト・ザ・ワールド』
著者:ジャレット・コベック(『くたばれインターネット』)
訳者:浅倉卓弥解説:二木信
発行:Pヴァイン
発売:日販アイ・ピー・エス株式会社
発売日:2020/11/25
定価:本体2,300円+税I
SBN:978-4-909483-77-5
公式HP:http://www.ele-king.net/books/007899/
【目次】
一章 今再びこのアメリカを驚愕せしめん
二章 本当っぽい方がいい
三章 息絶え絶えになお叫びつつ
四章 汝(なれ)は吸血鬼(ヴァンパイア)なるか?
嬰児(みどりご)の我は死と歩む
五章 保護観察 六章 ♯予期せぬ結抹
七章 魔女とのまXぐXわXい
八章 歩哨(センティネル)の丘──ウィルバー・ウェイトリーと限りない空虚(ヨグ=ソトース)とともに
九章 ベイビー・イッツ・ユー
十章 ジュネーヴァ
十一章 我痛みを知るより先に朽ち果つるを望む
十二章 死走
訳者あとがき
解説(二木信)