「そもそもサブブランドを認めていること自体が総務省の失策だ」KDDI、ドコモの新料金プランに夏野剛氏
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 auの5Gスマートフォン向けの新たな料金プランを発表した携帯キャリア大手KDDI。

 発表イベントで東海林崇副社長は「ご加入いただいている間はAmazon PrimeとTELASAがお楽しみいただける。しかも最初の6カ月間は3760円だ」と説明。一方、割引条件などの複雑さについて問われると、「必ず相対でご契約されるケースが多い。お客様に誤解といったものを招かないような形で、きちっと対応してまいります」と釈明した。

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「そもそもサブブランドを認めていること自体が総務省の失策だ」KDDI、ドコモの新料金プランに夏野剛氏

 NTTドコモで「iモード」の立ち上げに携わった経験も持つドワンゴ社長で慶應義塾大学特別招聘教授の夏野剛氏は「これまでの延長線上、という感じの料金プランだ」と話す。

 「もともと料金設計というのは、どのくらいの人が移行するのか、それによる減収がどれくらいになるかを予測、そして他でどう稼いで補うのかも含めて数カ月かけて緻密に計算して考える。発表会場のホテルだって1カ月前には押さえていただろうし、ドコモの発表を受けて出してきたというわけではないと思う。もちろんドコモが何か仕掛けてくるだろうと思ってはいただろうが、ahamoという形で出してくるとは想定していなかったのだろう。“やばいな”と思いながらも、今さら引っ込められなかったというところではないか」。

「そもそもサブブランドを認めていること自体が総務省の失策だ」KDDI、ドコモの新料金プランに夏野剛氏

 また、複雑なプランが批判を浴びていることについては、「やはり他社にユーザーが流出することが一番怖いわけで、“我々のキャリアを使っていれば一応安くなっていますよ”というユーザーへのアピールだ。“政府への忖度”などと言うのはマスコミだけ。これだけ批判的に取り上げられてもユーザー全員が移ることはないし、そういうことも踏まえてメッセージ性を重視したことは評価していいと思う。ただし、今までは代理店で余計なオプションを付けていくことがある種のビジネスになっていた。そういう中で携帯3社は横並びの料金体型でやってきた。それが今回、ahamoが出てきたことで構造が一気に変わることになる」とした。

「そもそもサブブランドを認めていること自体が総務省の失策だ」KDDI、ドコモの新料金プランに夏野剛氏

 KDDIに先んじてNTTドコモが発表した割安料金プラン「ahamo」は、月額2980円で20ギガバイトの高速データ通信と1回あたり5分間の無料通話など、低料金で注目を集めている。これに対し武田総務大臣は「NTTの一連の動きに関しては本格的な競争に向けた、まさに大きなきっかけになったことは間違いないと思う」とコメントしている。

 とはいえ、ahamoへの変更手続きは既存のドコモユーザーであってもサービス開始後1カ月程度は複雑なものになり、利用できる機種も限定される可能性があることから、料金値下げというよりも、実質的な“格安サブブランドの立ち上げでは”と指摘する声もある。

「そもそもサブブランドを認めていること自体が総務省の失策だ」KDDI、ドコモの新料金プランに夏野剛氏

 夏野氏は「携帯事業者としては、“手続き・サポートはネットのみ”というのは今まで絶対にやらない手だった。むしろ販売代理店の協力がなければ厳しいということがよく分かっていたし、共存のためインセンティブの仕組みなども一生懸命作ってきた。だから、よくこんな禁じ手をやるなと思った。NTTの100%子会社になるとこれだけ変わるんだということの一発目だ」とした上で、次のように話す。

 「“サービス開始後1カ月程度はドコモユーザーでもMNP(番号持ち運び)の手続き必要”というので、確かにサブブランドのつもりだったのかもしれない。それを新社長がメインにさせたのではないか。僕も1月で料金変更になる回線をahamoにしようと思っているが、2年間の縛りについてチャットで聞いてみた。すると“ahamoに替える時には適用されません”と返ってきた。すかさずスクショを撮って、何か言われたら証拠として見せようと思っている(笑)。変更手続き料もいりません、縛りの期間中に替えても違約金は取りませんというのは、相当思い切ったことだ。auは、ここに付いてこれていない」。

「そもそもサブブランドを認めていること自体が総務省の失策だ」KDDI、ドコモの新料金プランに夏野剛氏

 菅総理肝いりの携帯電話料金の値下げ。きのう行われた携帯電話料金の低廉化に向けた二大臣会合では武田総務大臣が「同一事業者内での変更であるにもかかわらず、多くの手続きや多額の手数料が設定されるなど、利用者に高い料金プランに過度に囲い込もうとする例も見受けられている。まさに改革は道半ばである」と指摘。今後、プラン変更の手続きやプラン自体の分かりやすさなどにもメスを入れる方針を示している。

「そもそもサブブランドを認めていること自体が総務省の失策だ」KDDI、ドコモの新料金プランに夏野剛氏

 夏野氏は「UQやワイモバイルは“我々はサブブランドだ。auの回線を使っているから品質がいいのだ”などと主張しているが、他のMVNOはよく怒らないなと思う。だって、ドコモかKDDIかSoftbankの回線を使っているんだから。“サブブランドだから品質がいい”なんて、そんなめちゃくちゃなことをホームページに書くことを許してきた総務省の失策だし、そもそもサブブランドを認めていること自体も失策だ。その意味では、先ほどの武田大臣はいいことを言っている。むしろ今までの大臣は何をやっていたんだ」と指摘した。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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