猛ラッシュからラリアット気味の強烈な右フックが炸裂。その後、パウンドの雨あられに防戦一方となりレフェリーがTKOを宣告するも、呆然自失の敗者がこの裁定を不服とし「WHY!?」と場内に響き渡る大声を上げて猛抗議。「レフェリーの推測で試合を止めた」など擁護の声も殺到し、物議を醸している。
12月11日に配信されたONE Championshipの大会「ONE: BIG BANG II」。チェン・ルイ(中国)とアリ・モタメド(イラン)の対戦は、1ラウンド1分56秒にチェンが猛打でTKO勝利を収めたが、敗れたモタメドは呆然自失。ダウン、さらにTKO判定を巡り「WHY!?」と会場に響き渡るほどの大声を上げ、試合後にレフェリーに食ってかかる場面も。TKO判定の正当性を巡り、ネットで論争に発展している。
サッカー経験もあるというモタメド。1ラウンド序盤こそ、ローやハイキックで軽快な足さばきを披露したが、打撃を得意とするチェンは距離を縮めて豪快なフックを放つなど連打で応戦。ラウンド中盤、一気にプレッシャーをかけたチェンが重いフックを放つと、モタメドがケージ際まで飛ばされてしまう。そこにチェンが追い打ちのワン・ツー、さらに大きく振りかぶって速い右フック。たまらず仰向けになったモタメドにチェンが容赦ないパウンドを打ち込むと、レフェリーが間に入り、すぐさま試合を止めた。
ダウンの状況を認識できていないのか、それともパンチが効いていなかったのか…敗れたモタメドはレフェリーに掴みかかるような勢いで「WHY!?」と大声を上げて猛抗議。まるで鬼のような形相にABEMAの視聴者からは「スリップじゃね?」「効いてない」「止めるのが早い」とモタメドの抗議に同調する声が。一方では「モロに効いてる」「倒れる前も何発かもらっていた」「WHYじゃない」など、レフェリーの判断を支持する声も寄せられ、ファンの意見は真っ二つに割れた。
ゲスト解説を務めた志朗は、問題のシーンについて「最初に左のショートフックみたいに合わせて効かせて倒した感じです」と話し、大きな右フックよりも、その前にチェンが放った左のダメージが大きかったと冷静に分析。さらに「打ちに行っているので自分でもどうやって倒れたかわかってないんじゃないでしょうかね」とダウン直後のモタメドの行動についても解説した。
なおONE Championshipの公式SNSでは、このダウンシーンを至近距離から撮影して紹介。すると「素晴らしいテクニックだ」「かなりハードに当たってるな」とチェンを称賛する声がある一方で、「レフェリーは急ぎすきだ」「まだ彼はやれたのにレフェリーが試合を終わらせた。直接効いているパンチはなかったが、レフェリーの推測で試合を止めた」など、モタメドの猛抗議を擁護する声も聞かれていた。
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