今年11月にデビュー20周年を迎えた中島美嘉。そのデビューは鮮烈だった。18歳の時に連続ドラマ『傷だらけのラブソング』(フジテレビ系)のヒロインに抜てきされ、担当した主題歌『STARS』は60万枚超の大ヒット。翌年にリリースした初アルバム『TRUE』はミリオンセラー。デビュー1年でNHK紅白歌合戦出場も果たして……と、まさに“シンデレラストーリー”を地で行くスタートだった。
その後も「雪の華」「GLAMOROUS SKY」「ORION」といったヒット曲をリリースしていく中で、彼女自身クールなイメージに加え、大人の女性としての風格が備わり、円熟期に入ろうという今。12月20日(日)21時よりABEMAにて配信される音楽特番『青の洞窟XmasオンラインLIVE』に出演するタイミングで、これまでの歩みを中心に語ってもらった。
「全国で有名になる」という意識はなかった
――たびたびお話されていますが、もともと歌手を志望していたわけじゃないんですよね。
中島:そうですね。もともとファッション系を志望してて……っていうと聞こえがいいけど、出身でもある鹿児島の中学校を卒業して、1年ほど福岡でモデルのアルバイトを始めたんです。そもそも全国でなにかしようなんて全く思ってなくて、九州の雑誌でモデルを続けられればいいなって思ってました。
――それがトントン拍子に全国に知られる形になり。
中島:ねえ。デビューするきっかけになったオーディションも、知り合いに連れられて行ったもので、何を受けているのかわかっていなかったぐらい(笑)。歌手としての自信もなかったし、ずっと続けられるとも思っていなかった。デビュー作のドラマが終わった後、先の不安から「バイトを探していいですか?」と事務所の方に聞いて驚かれたこともありましたね。いろいろ積み重ねてここまで来れた感じです。
――いつごろ歌手になったという実感が湧きましたか。
中島:今でも胸張って『歌手』っていうのは何か違うんですよね。ずっと『名乗っていいのかな?』っていう葛藤がある。家族はいまだに私がこの仕事をやっていることを不思議がってます(笑)。
――しっくり来る肩書はもうあるんですか。
中島:『代弁者』が一番しっくりきます。というのも、デビューしてふと思ったんです。『5分ぐらいで人の人生変えるかもしれない仕事についちゃったな』って。だからこそ中途半端にならず、歌詞に使われる言葉をよく噛み砕いて歌わないと……と責任を感じるようになりました。
今年はじめて本格的に「食事管理」してみた
――中島さんはすごく緊張しやすいとお聞きしました。
中島:はい、ライブでも収録でも変わらず緊張します。長年やっているのですが、絶対これが効くっていう対処法もないんですよね。とくに本番を待ってる時間が長かったりするときがマックス。ウロウロ歩いたりカラダを動かすとちょっとは和らぐかな。
――バラエティで話されてましたけど、今年アクロバット教室に通い始めたとか。
中島:こうも家で過ごす期間が長いと運動不足になりますからね。あと今年、出来ていなかったのが食事管理。せっかくだからやってみようと思って、カロリー計算と食事制限をはじめました。食べる順番を気にしたりとか。
――むしろいままで気にしてなかったのが驚きのスタイルです。
中島:いえいえ、これまでも体重の増減はあったんですよ。今回本格的にということで、ずっと好きだったラーメンを控えたんですが……最初は地獄かと思いました(笑)。
――中島さんにとっての2020年はどう振り返れますか?
中島:おうち時間が長かったとは思うんですが、すごく短いっていう人が結構周りにいて。それって何でなんだろう?って考えたとき、自宅で同じことを繰り返す日々なんて、大人になるとほぼないわけじゃないですか。記憶がギュッと縮まってそう感じるんじゃないかなあと。
――今年のインスタ初投稿が気合の入った髪型だっただけに、出鼻をくじかれた形になって……それにしてもデビュー時から中島さんを見ているファンにとっては「髪型」も注目してますよね。ロングウルフやボブだったり。ウルフは特に真似している人がたくさんいました。
中島:ありがとうございます(笑)。(ウルフのときの頭頂部の毛が跳ねる)頭のあれは生えグセで立たせたりできるんですよね。毛穴の向きが人と違うのかな。
――それも意外な情報でした(笑)。今後コロナが収まった後、実現したいことを教えて下さい。
中島:発表している全国ホールツアーも楽しみですし、もう一つは“地声が届く広さ”の会場で歌いたいですね。おそらく100~300人ぐらいの場所になるのかな。そこで既存の曲をアレンジしたり、会場に来てくれた方をドキドキさせることをやっていきたいです。
青の洞窟XmasオンラインLIVE
放送日時:12月20日(日)21時~23時
放送チャンネル:ABEMA SPECIAL 2チャンネル
テキスト:東田俊介
写真:You Ishii