16日に就任から3カ月を迎えた菅総理。共同通信の最新の世論調査によれば、内閣発足直後の9月には65%を超えていた支持率は、12月初旬には50.3%に下落している。背景は、自身の肝いり事業だった「GoToトラベル」の突然の方針転換など、新型コロナウイルス対策への批判がありそうだ。

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 また、今週に入ると「国民のみなさんにおかれましては、年末年始は静かにお過ごしいただいて、コロナ感染をなんとしても食い止めることにご協力いただきたい」と呼びかけた数時間後の“8人会食”も波紋を広げた。記者からの問いかけに「他の方との距離は十分にあったが、国民の誤解を招くという意味においては真摯に反省いたしている」と陳謝した菅総理だが、「支持する」を「支持しない」が逆転してしまったという調査結果もあるという。

 17日の『ABEMA Prime』では、自民党内の“菅グループ”で中核を成す「ガネーシャの会」メンバーの秋本真利衆院議員、そしてテレビ朝日政治部の官邸キャップ・吉野真太郎記者に話を聞いた。

■「会食」をめぐって、菅総理、さらに自民党内に“緩み”?

 まず秋本議員は、総理が「会食」に参加することの意義を次のように説明する。

 「よく“高級店を一日で何軒も回って”と批判されるが、実際にはほとんど食事はしておらず、いわば会議をはしごしている感じだ。分刻みの忙しいスケジュールの中で動いているので、夕方以降の場合、総理サイドからは“食事をしながら待っていてくださいね”と言われる。私も15日の夜にレストランでお会いしたが、菅さんはペーパーを見ながら20分間、何も食べずに私やエネルギーの関係者の話を聞いていた。それが一通り終わると、ペリエか何かを一口か二口飲み、席を立って出ていった。

 菅さんは芸能関係者や旅行関係者など、様々な人から話を聞き、それを素早く政策に展開することで成果を出してきた人。誰かと会って話を聞くのは必要なことだし、その意味では仕事なのだが、そうした点はあまり報じられない」。

 その上で、問題視されている王貞治氏やみのもんた氏らとの“8人会食”については「総理がおっしゃった通り、この時も呼ばれたので行ったということだったと聞いている。行ってみると思った以上に人がいたが、“まあまあ、話をしていきなさいよ”ということだったようだ。ただ、私がお会いした時には総理サイドから“感染予防の観点から、必ず総理を含め4人以内にしてください”と厳命された。その意味では総理サイドのコントロール下ではない部分や“脇の甘さ”があったのだろうし、批判されるのは当然だ。真摯に反省しなければならない。そこは 菅さん自身も“反省する”とおっしゃっていたので、もうこういったことは起こらないと思うし、食事の場ではなく、本来の会議のような形にしていくことも一つの方法だ。

 それから、これは言ってしまって大丈夫かなとは思うが、あえて言う。私は万が一にも総理にそういう思いをさせてはいけないという思いを持っているので、総理サイドの指示にも従った。しかし今回、このような形になってしまった場には政治家も少なからずいたわけだ。そうした方々には、総理と同様に深く反省してもらいたいと思っている」と指摘した。

 秋本議員の話を受け、吉野記者は「苦しいとは思うが、秋本さんはフェアだと思う。確かに、あの場には二階さんや、その側近の林(幹雄)さんもいた。菅さんも甘かったが、自民党の上の人たちも緩んでいると思う。芸能界から知識を、という説明は苦しいし、やはりこれは“忘年会“だ。そして、誰も止めなかったのかな、大丈夫なのかなと思ってしまう」と、自民党内の“緩み”に苦言を呈した。

■支持率低下は学術会議がきっかけとなり、GoToが後押し?

 その上で、直近の内閣支持率について秋本議員は「新型コロナウイルスの感染再拡大と共に不支持率も上がってくるだろうと予想はしていた。しかし想定以上だ」とコメント。

 「与党の議員として良い気分はしないし、総理もそうだろうと思う。支持率低下を何とかしなきゃと思う反面、支持率だけを見て判断するのは間違っていると思う。後から振り返って、ああだったね、こうだったねということは誰でも言える。厳しい批判を受けたとしてもやらなければならないことはあるし、そこは耐え忍び、あとで振り返ったら、“やって良かったね”と言ってもらえる決断をしていきたい。GoToだって、当初はものすごく批判されたが、コロナが少し収まった後は評価されていたと思うし、特に旅行業界、観光業界の方々には喜んでいただいたと思う。だからこそ、私の事務所にも観光業関係の方から“なんでGoToを止めたんですか。批判があっても続けてもらいたかった”と涙ながらに訴えてくる方もいた。再流行の兆しが見えてきたので、稼ぎ時の年末年始が近づく中、ギリギリの判断だった。逆に、止める判断が遅すぎるという批判も頂いた。政権与党としては両サイドの意見を聞きながら、その時その時で“これがベストだよね”という選択をしていかなければならない」。

 また、菅総理が指摘される“説明不足”に関しては、「菅さんは国民から見て丁寧ではない、分かりにくいところが昔からある。そこは少しでも伝わりやすくなるようにと、私も会う度に話をしている」と話した。

 支持率については、吉野記者も「ここまで下がるとは思わなかった」と話す。

 「政権発足時には“安倍政権の継承だ”と言われていたが、取材をしていると、内実は全く異なっていることがわかる。“安倍一強”と言われつつも、これは安倍さんマター、これは菅官房長官マター、そしてこれは誰々さんマター…と分担があった安倍政権に対し、菅政権はあれもこれも全て菅さんマター、という印象だ。そして、良い意味で菅さんは“せっかち”で、まどろっこしいことが嫌いな人。要は“結果重視”の上司なので、“令和おじさん”とか“秋田から上京してきた苦労人”とか、そういうふわっとした期待だけでは国民からの信頼は得られないと言って、当初の支持率爆上げにも浮かれた様子はなかった。だからこそ、たった3カ月だが成果が出ている菅さんマター案件もある。それが今はちょっと、という感じだ。

 そして転換点を挙げるとすれば、私は学術会議の問題だったと思う。こう言ってはなんだが、学術会議の問題は多くの国民にとってはあまり関係がない。しかしあの時、丸顔のおじいちゃんだと思っていた菅総理の人事権という刀が見えたことで、国民にも強面の部分が見えてしまった。これがきっかけではないか」。

 こうした世論への反応か、さっそく自民党内での“不協和音”を示唆する報道もある。

 吉野記者が「菅さんと二階さんとの間に溝が、という報じられ方をしたが、実際には二階派の人たちがGoToの一時停止を聞いていなかったという話だ。菅さんの判断がそれほど急転直下だったということだが、“止めた後どうするんだ、ちゃんと対策はあるんだろうな”と、決め方のプロセスに納得していないということだと思う。菅さんは官房長官時代からそうだが、決めるまでは“決まっていない、考えていない”と言う。今回もGoToを止めたくはなかったのだと思うし、“考えていません”が本心だったのだと思う。緊急事態宣言だって、決めるまではいくら聞いても“考えていません”と言うだろう」との見方を示すと、秋本議員は「先ほども言ってしまったが、二階派にはちょっとそういうところがある。本音を言ってしまうのは不安だが…」と苦笑していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

秋本議員と吉野記者による解説
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