東京で夫婦と子ども2人の4人家族が「普通の生活」をするには、いくら必要か。都内の産業別労働組合などが加盟する連合組織・東京地方労働組合評議会と東京春闘共闘会議が驚きの試算を発表した。
練馬区に住む30代夫婦と、公立小学校、私立の幼稚園に通う子どもの4人家族のモデルケースで、普通の生活をしてかかる費用は月額「約54万円(年間約650万円)」。
ちなみにモデルケースでは、賃貸マンションの家賃9万5000円、1カ月の食費は11万円あまりで1人1食300円、夫の飲み会は月に1度で3500円、などで算定したもの。子どもたちが成長し、40代では月額62万円(年間約740万円)、50代では80万円(年間960万円)にものぼるという。
この結果に、Twitterでは「#月54万円」「#普通の生活」がトレンド入りした。そして、「月54万円!!!」「#普通の生活 ができない #東京」「ほんと、お金かかるよね。地方でもそんな変わんないよ」という声もあがった。
今回の調査結果について、「家族を形成するにはお金がかかり、いまや若年世代にとって家族を持つことはステータスになってしまっている。賃金を底上げすることが最重要」としている。
この調査結果について、BuzzFeed Japan News副編集長の神庭亮介氏は「最初に『月54万円』という数字を見た時は結構高いなと感じたが、43平米のところに4人で住んでいるとか、家族で行楽に行って1回8000円で済むかなどをつぶさに見ていくと、自分も都内で2人の子育てをしているが実感に合う妥当な試算だと思う」と話す。
また、Twitter上などであがる声に対して「『普通の生活』という言葉のパンチが強すぎて、「『普通ってなんなの?』『これが普通なら私たちは暮らしていけない』などと反発したくなる気持ちもわかる。言葉が一人歩きしている部分もあると思う」と理解を示す一方、「組合が『今の給与は不十分だ』『もっと待遇をよくしてくれ』と訴えるために出しているデータなので割り引いて見る必要があるが、理想としてはこれぐらいあったほうがいい。『贅沢だ』『高すぎる』という方向で議論すると、足の引っ張り合いになっていく」との見方を示した。
では、「普通の生活」を実現するために、どのような策が必要だろうか。「日本は先進国の中で教育に対する公的支出が極端に低く、大学の授業料も高い。先日も、児童手当を所得によって一部廃止する政府方針が批判を集めた。少子化を憂うのであれば、子育て世帯の負担を軽減する措置が必要だ。都心は家賃が高額なので、住宅補助なども検討してはどうか。子育て世帯はお金を取られるだけ取られて、ほとんど顧みられていない。そこへの手当が必要だと思う」とした。
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