9戦無敗6KO、破竹の勢いに乗る期待の選手の意識を“一撃”で断ち切ったのは、戦闘民族が放った“戦慄”の右拳だった。直立した状態で後ろに倒れ込み、静かに眠りに落ちるような失神KO。その衝撃的なシーンに実況が「我々は見てはいけないものを見てしまった」と絶叫した。
12月25日に配信されたONE Championshipシンガポール大会「ONE: COLLISION COURSE II」で強烈なKOシーンが飛び出した。レイモンド・マゴメダリエフ(ロシア)とエドソン・マルケス(ブラジル)の対戦は1ラウンド、マゴメダリエフの渾身の右をまともに被弾したマルケスが失神。あまりに破壊的なパンチに実況が「見てはいけないものを見てしまった」と叫ぶと、ネットからも「殺人術みたいだ」「恐ろしい」と反応が寄せられた。
総合格闘技の世界で旋風を巻き起こしているダゲスタン共和国出身のマゴメダリエフ。戦闘民族の名のとおり、幼い頃からレスリングを学び、コンバット・サンボの世界王者やカンフー、散打など格闘経験は豊富だ。打撃に関しても、片足をキャッチされたまま相手を一撃で沈めたロシア「Fight Nights Global 85」での“17秒葬”で世界を震撼させた。一方のマルケスはムエタイベースのファイターで、9戦無敗6KOと勢いに乗る期待の選手だ。
試合開始直後、マゴメダリエフが放った重い右ローでマルケスがバランスを崩す。続くミドルやパンチもキレ、迫力ともに十分だ。マルケスがさがりながら距離を探る展開の中、開始2分に差し掛かる場面で、マゴメダリエフがケージに追い込み鋭いワンツーを繰り出した。と、次の瞬間…
「ボコッ」
会場に鈍い音が鳴り響くと、マルケスが直立状態のまま後方に倒れ、眠るように失神。マゴメダリエフがダメ押しのパウンドを打ち下ろすところで、レフェリーが割って入り試合を止めた。
身体をまっすぐに伸ばして倒れ、硬直するマルケス。かすかに脚を痙攣させる様子にABEMAで実況を務めた西達彦アナウンサーは「我々は、見てはいけないものを見てしまいました」と絶叫。衝撃的なワンパンKOにゲスト解説の箕輪ひろばも、ただただ唖然として「強え」と漏らすと「きっちり入ってますね」とコメント。驚愕のダウンシーンにネットからも「テンプルに右」「破壊力やばい」「恐ろしい」「誰だよこんなガチの人連れてきたの」など多くの反響が寄せられた。
圧倒的な強さを見せつけたマゴメダリエフ。ローとカーフでダメージを与え、速く垂直気味に蹴るミドルキックも相手から組むという選択肢を奪った。しっかりと理詰めで追い込んだ上で倒すスタイルに「脚を効かせてから仕留めきったな」。さらに軍人という経歴を受けて「殺人術みたいだ」という声も上がっていた。
この衝撃的なKOシーンがONEの公式サイトでも取り上げられるや否や「テクニシャンだ」「疑いようのない強さ」とマゴメダリエフを称えるコメントが殺到。海外メディアでも「ナスティーな(ヤバイ)ワンパンチKO」「破壊的なKOだ」の見出しが踊る一方、ブラジル・メディアでは「無敗のエドソンが沈んだ」と9連勝中と好調だった選手のまさかの失神KO負けが驚きと衝撃をもって伝えられた。
(C)ONE Championship