どんな名手の牙城でも打ち崩してしまう神様コースに、完璧なスピード&コントロールで叩き込まれた“バナナ”シュートが大きな話題となっている。
ネットで騒がれる驚愕のシュートを決めたのは、フットサル日本最高峰の舞台『Fリーグ』屈指のストライカーであるペスカドーラ町田のクレパウジ・ヴィニシウスだ。
敵地で行われたシュライカー大阪戦に臨んだ町田は、後半に2点を失う苦しい展開となった。
しかし35分、右サイドのキックインからゴレイロ(GK)のピレス・イゴールがハーフウェイラインを超えて攻め上がるパワープレーを仕掛ける。相手のプレスがゆるいと見るやイゴールは少し持ち出して小さなシュートフェイントから右サイドのヴィニシウスへと鋭いパスを通した。
フリーで待ち構えていたヴィニシウスは、左足の裏でなめてシュートを打ちやすい位置にボールを置き左足を振り抜く。狙いすましたバナナシュートは鋭く曲がって、“神様コース”と呼ばれるゴレイロ(GK)の肩口を射抜いてゴールの左上へと突き刺さったのだ。
わずか数秒のプレーでゴールを奪い切ってしまったヴィニシウスのプレーに、ABEMAのコメント欄は「簡単に決めるなー」、「決定力やべえ!ヴィニシウス」、「すげーシュート」といった驚きのコメントが並んだ。
この試合で解説を務めた元フットサル日本代表の稲葉洸太郎氏は「イゴール選手のキックフェイントも上手」とアシストも高く評価。その上で「ここだったら入るだろうという巻きながらの神様コースへのシュート。さすがのGKも手が届かないところですね。絶対入ります。素晴らしかったです」と手放しで称えた。
この試合で2ゴールを決めたヴィニシウスは、今季17ゴールで得点ランキングトップタイ。さらに通算得点を294ゴールとして、前人未到の300ゴールにあと6つと迫っている。
幼少期にバナナが好きで愛称が“バナナ”となったヴィニシウス。ゴール量産体勢に入った生粋のストライカーから目が離せない。
文・川嶋正隆(SAL編集部)
写真/高橋学