元王者が手も足も出ず…ロシアの新鋭を相手に“プロレス技”で瞬殺タップの衝撃敗戦。にわかに信じがたい出来事にファンの間で波紋が広がっている。
1月22日にシンガポールで開催されたONE Championship「ONE: UNBREAKABLE」で、元ONEウェルター級王者のゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)がザキムラッド・アブデュラエフ(ロシア)に1R開始すぐにバックからフェイスロックで締め上げられ完敗。戦歴6戦の新人が、実力差で元王者を圧倒する結果に衝撃が走った。
ストライカーでフィニッシュ率92%の元王者カデスタムはパンクラスジム・スウェーデン所属の選手。一方のアブデュラエフはMMAデビュー6戦。24歳でONE登竜門のウォリアーシリーズ出身、これからの選手という印象だ。
両選手オーソドックスの構え。打撃に自信のあるカデスタムが軽快にステップを踏みながらプレッシャーをかける序盤。しかし、試合はすぐに動いた。カデスタムの左ローをキャッチしたアブデュラエフがテイクダウン。これをなんとかこらえ立ち上がるカデスタムの後ろを取ると、すかさず背後から右足を払ってバックからパウンド。
すでにこの一連の動きで視聴者からも「タイミング上手いな」「あ、これは強い」の声が。続いてアブデュラエフがバックから足をガッチリクロスしてコントロールしながら巧みにチョークを狙い、さらに鉄槌を落とすと「完全にコントロールしてる」「露骨に差がありそう」など、次第に何かを予感したように視聴者が“ザワつき”はじめる。
ABEMAで解説を務めた西達彦アナウンサーもこの状況を察してか「カデスタム元チャンピオンなんですけどね…あんなに簡単に倒されてしまうのは意外でしたね」とコメントをした最中にアブデュラエフがガードを解くと、顔面をフェイスロックで一気に締め上げた。カデスタムは耐える様子もなく、一瞬でタップアウト。突然かつ驚愕の幕切れだった。
衝撃の一本勝ちに再び西アナが「いや~、エラいのが出てきました」と絶叫。MMAでは珍しいプロレス技でのフィニッシュに「フェイスロック…」「フェイスロックで心折ったな」「頭蓋骨割れそう」「何もさせなかった」「ロシアこえー」とコメントが続いた。
ゲスト解説を務めた北岡悟はあっけない幕切れについて「単純にただただ力の差だと思います」と冷静にコメント。改めて西アナは「ちょっと恐ろしい選手が出てきましたけれど、どうしてこんなことになってしまったのか…」と元王者の完敗に唖然とした様子。
あまりにも強すぎる新人の登場に対し、視聴者からは「ヌルマゴメドフが気ぐるみを着てるんじゃないか…」と引退したばかりの元UFC王者の黒子説まで飛び出していた。