イオン「就業45分前から禁煙」は合法か? “業務外ルール”に賛否の声…弁護士の見解は
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「イオンは『就業時間内禁煙』『敷地内禁煙』を開始いたします」

 イオンが25日、就業時間中の全面禁煙、事業所の敷地内での終日禁煙を発表した。国内グループ115社の全事業所の従業員およそ45万人が対象で、今年3月までに始めるとしている。さらに、喫煙者の息や髪の毛、衣類に残ったたばこの成分を周りの従業員や来店客が吸い込む「三次喫煙」を防ぐため「就業時間45分前からも禁煙とする」というルールも設けるとした。

【映像】「地域社会の健康とハピネスを実現」イオンが発表した“禁煙ルール”

 この就業時間45分前からの禁煙について、SNS上では賛否の声が上がっている。「そもそも、なんで今まで喫煙者だけが喫煙のために休憩できたのか?非喫煙者が仕事してるのに?という疑問さえ口に出せるような世の中の流れに感謝」という賛成の声もあれば、「人間からしたら残酷な制度すぎる」「出勤45分前からは職員さんは納得いかないだろうなぁ」と反対意見も寄せられている。

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 問題になっている就業時間45分前禁煙について、企業法務に詳しい正木絢生弁護士は「一定限度の合理性はある」と話す。

「今回の規制の理由っていうのが、従業員の健康、それからお客さん、イオンから見たときの顧客の健康というところだと思いますので、そうすると、喫煙を制限するところには一定限度の合理性はあるんじゃないかなと思います。医学的な見解で、45分間は三次喫煙の被害があるというところで、そこまで就業時間外だからといって、違法な範囲ではないのかなと思います」(正木絢生弁護士)

 しかし、正木弁護士は「従業員からは訴えを起こされる可能性も考えられる」と指摘する。

「絶対に必ず合法ともなかなか言い切れないところではあると思うので、従業員さんの一部が違法な制限だというところで、可能性として、何か訴えを起こすことは考えられます。精神的苦痛を被ったということで、企業イオンに対して慰謝料請求をする、というのが一番シンプルに考えられるかなと思います」」(正木絢生弁護士)

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 さらに「イオンの動きを見て他の企業も喫煙対策を始めるきっかけになるか」と聞くと、正木弁護士は「きっかけには大いになるんじゃないかなと考えています。報道にも出されてますし、イオンさんがうまくいったみたいなニュースとかが流れると『うちも』と追随してくる企業さんは多いのではないか」とコメント。今回のイオンの取り組みが、今後、他の企業の喫煙対策にも影響するのではないかと話した。

 イオン広報は「今回の取り組みは第一に従業員の健康、従業員の家族の健康、そしてお客様の健康を考えてのこと」だといい、「就業時間内禁煙、敷地内禁煙は規則として三次喫煙防止などはルールとして設け、今後も工夫してまいります」としている。

ABEMA/「ABEMAヒルズ」より)

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