MMAスパーで多彩な攻めを披露した佐藤)

 ONE Championshipバンタム級の上位ランカー、佐藤将光に1年ぶりの試合オファーが届いた。

 2月5日に放送される試合の対戦相手はファブリシオ・アンドラジ。昨年7月にONE初参戦を果たした選手で、ムエタイがベース。前回の試合では打撃で相手を圧倒、その上でリアネイキッドチョークを極めている。MMAではまだ新鋭だがムエタイの経験は豊富、決して簡単な相手ではなさそうだ。佐藤も「一発がある。相手の強いところにハマっちゃうと危険ですね」と言う。

 コロナ禍で試合から遠ざかっていた佐藤だが、去年の時点で王者ビビアーノ・フェルナンデスへの挑戦が待たれる状態だった。それだけに今回はリスキーなマッチメイク。それは本人も自覚している。

「まず絶対落としちゃいけない試合ですよね。自分はONEに出ている日本人でタイトルに一番近いと言ってもらえて。でもここで落としちゃうと一気に価値が落ちてしまう。周りの期待を勝手に背負ってやろうと思ってます。でも一戦は一戦ですから。この試合に必ず勝つ。そういう気持ちでいかないと足元すくわれちゃうんで」

 もちろん、今の自分の実力に自信もある。強力な武器を持つアンドラジだが「テイク(ダウン)取って殴ったり、打撃でも勝負できると思います。ムエタイで強くても、総合はそんなすぐできるもんじゃないので、絶対に穴は出てくると思います。そこは僕は10何年やってるので自信をもっていきたい」

 ONEバンタム級には昨年、UFCでも活躍したジョン・リネカーが参戦。佐藤にとってはライバルが増えた状況だけに、この試合を落とすわけにはいかない。勝つだけではなく内容で“佐藤強し”を印象付け、タイトルマッチに近づきたいところ。

 今は「試合が決まったことがまず嬉しい」という心境でもあるようだ。昨年10月、ONEが世界中から選手を集めての大会を再開すると聞いた時から、佐藤は準備を怠っていなかった。

「(前回の試合は)ずいぶん昔に感じますね(笑)。なかなか試合が決まらないもどかしさみたいなものはありました。ただスイッチは入れていたし、試合が決まるともう一段階スイッチが入ります。とりあえず試合が決まってよかったなと。あとは勝てばいいだけなので」

 マスコミのリモート取材を受けた公開練習では、さまざまな相手とMMAスパーリング。相手の中には女子格闘家の富松恵美も。相手に応じて攻め方を変えてもいた。

「相手が限られてるので、いる相手と(スパー)を回してます。僕の場合はスタイルを変えるのがスタイルというか。相手のやりにくいところでやっていくと」

 誰が相手でも相手より有利な部分で闘う。相手が嫌なことをする。それが自分の闘い方だと佐藤。それはアンドラジのようなタイプには有効度が増すはずだ。“日本代表”として、ONEという世界の舞台で勝ちたいという思いも強い。

「今は日本人が下に見られちゃっているので。日本で実績を積んだ選手たちがこれから活躍していけば評価が変わると思うんです。(日本格闘技界の)全盛期には戻れないけど、古い人間なので取り戻したいと思っちゃいますね。選手はどんどん出てくると思います。子供のころからやっている人が。ただ、いま日本人が活躍しないとやろうという人も出てこない。RIZINを見て格闘技を始めた人もいると思うし、そこはONEも頑張りたいですね」

 そうした面も含め、佐藤の“仕事”はONEの頂点を獲ることだ。

「行けるところまで行くのが自分の使命だと勝手に思っているので。今年、ベルトを(日本に)もってこようと思ってます」

 アンドラジは侮れない相手ではある。しかしここはやはり、佐藤の強さが見たい。

文/橋本宗洋

写真/ABEMA

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