中学受験する子どもを持つ親が押さえるべき“3つのこと” 教育心理専門家が唱える“ピンチの時のひと言”を持つ重要性
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 この週末、全国の64会場で行われた大学入学共通テストの第2日程。この第2日程は、新型コロナウイルスの影響で授業が遅れた高校3年生と、第1日程を大雪やコロナへの感染、体調不良で受けられなかった人など約2500人が受験した。

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 大学入学共通テストでは、新型コロナの影響などで第1日程が受験できなくても2回目があった。しかし、1日から始まった中学受験では、東京都では麻布中学校や桜蔭中学校など、神奈川県でもほとんどの私立中学校で追試を実施しない。

 全国に約1000教室以上を展開し、個別授業を行う学習塾「スクールIE」では、多くの受験生がラストスパートをかけていた。今年は受験当日の風景も少し変わりそうだという。

 「例年だと、学校の校門まで行って子どもたちに『頑張ってね』と激励の言葉を投げたりしているが、そういったものを今回控えるようにという話が出ている」(スクールIE 南砂センター校の矢部沙織室長)

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 中学受験といえば、恒例となっているのが試験会場での声掛け応援。受験生にとっては心強い最後の励ましを、今年は感染防止のため控えることを決めた。その代わり、「きっと勝つ」の験を担いだメッセージ付きのキットカットなどを渡し、送り出すということだ。

 そして迎えた試験当日。各地で入学試験が行われる中、約1200人が試験に臨む東京・荒川区の開成中学では、入り口で保護者が見送る静かな朝となった。新型コロナに感染して1日に受験できなかった児童のために、今月23日に追試も設定されているという。

 例年と環境が違う中での受験。中学受験する子どもを持つ保護者が押さえておくことして、臨床心理士で明星大学准教授の藤井靖氏は「中学受験くらいだと、まだ保護者の影響は大きい。心理的にもそこは連動している」として次の3つをあげる。

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 「まず、親が子育てに自身を持つこと。例えば、親が自分の子育てや受験対策といったものに自信を持っているということが、子ども自信ややる気につながっていると思う。この時期はもう試験を受けるしかないわけで、親が自分自身のことを肯定することが子どものためにもなる。

 2つ目は、子どもの心と競合せず協力すること。言い換えれば、子どものあまりよくない行動が受験期にあった時に、親は良かれと思ってそれを否定して正しいことを教えてあげなければという発想になるが、そうすると心と心が競合する状態になってしまう。もうこの時期になったら子どもの心を肯定してあげて、“じゃあどうすればいいか”という建設的なアドバイスに結びつけていくという意味での協力。子どもの気持ちに寄り添うというのは親がみな気をつけていることだと思うが、心配からつい厳しくなってしまう時があるので、気をつけた方がいいと思う。

 3つ目は、ピンチの時のひと言を持っておくこと。これは大人にカウンセングをした時にもよく出てくる話で、中学受験をした時に保護者から言われたひと言が、ずっと心に残っていて支えになったと話す方は結構多い。もちろん、塾や学校の先生の話だったり、友達とのやり取り等も影響するが、やはり保護者の影響は強くて、困った時・ピンチになった時に短いひと言を用意しておけるかが重要だと思う」

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 ピンチの時のひと言としては、結果がなかなか出ない時→「今は経験を蓄積している時期だよ」、プレッシャーに押しつぶされそうな時→「今まで頑張った分はどこへ行っても役立つよ」、受験当日の緊張感が高すぎる時→「あなたならできるよ。最後まで堂々頑張れ」、第一志望の学校に落ちてしまった時→「頑張った、頑張った。お疲れさま!」などを例にあげる。

 藤井氏は「ここに書いてあるのはあくまでも案なので、言い方やタイミングも親子関係にもよる。大事なのは、こういう時を想定してひと言を準備しておけるかどうか」とした上で、最後の「頑張った、頑張った」は2回続けることに意図があると指摘。「例えば、我々が会話で『はい、はい』『わかった、わかった』『よかった、よかった』などと言うのは会話が終わる時だと思うが、もし落ちてしまったらその学校と向き合うのは終わって次に進んでいくプロセスに入るので、そのひと言をかけることで次に向かおうということを暗に示している。いずれにしても子どもの性格に応じて響きやすい言葉があるし、例えば女子はこまめに声をかけた方がいいが、男子はあえて言葉をかけないほうがいい場合もあるなどという性差もあるので、そのあたりは各家庭の関係性に応じて行っていただきたい」と述べた。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

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