「何か足りないのか、何が間違っているのかと、“プチパニック”に…」家庭内感染の辛さを経験した女性
番組をみる »

 緊急事態宣言の発出以降、新規感染者の数は減少傾向にあるように見えるが、依然として高い傾向にあるのが、家庭内での感染だ。

 もし家族に感染者が出てしまった場合、どのように対処すればいいのだろうか。家庭内感染を経験したばかりの高橋さん(仮名)の話も踏まえ考えた。

・【映像】家庭内感染を経験した当事者が明かすホンネ

■何か足りないのか、何が間違っているのかと思い、“プチパニック”に

「何か足りないのか、何が間違っているのかと、“プチパニック”に…」家庭内感染の辛さを経験した女性

 夫と3人の子どもの5人で暮らしている高橋さん。初めに感染が確認されたのは長男だった。

 一緒に勉強会に参加していた友人が濃厚接触者になったとの連絡を受けた翌日に発熱。PCR検査の結果、感染が判明したため、一人で療養施設に入った。家族も検査を受けたところ、高橋さんは陽性が判明、一方、家の中では長男と同じスペースにいることが多かった長女と次女、さらに夫は陰性だったという。

 完全に個室になっている部屋が2部屋だけだったことから、物置として使っていた1室を高橋さんの自己隔離の部屋にし、リビングもゾーニングして使うなど、感染防止対策を徹底。高橋さん自身は翌日、療養施設へと移った。

 「長男は発熱して以降、トイレ以外は隔離室の外にはほぼ一歩も出ないようにしていたし、食事は私が運ぶようにするなど、接触する人を一人に決めた。全員が家の中でもマスクをし、共用スペースもアルコール消毒を行うようにした。また、家族のコミュニケーションも、グループLINEで行うようにしていた。ただし、隔離室から風呂やトイレなどにいくためには、どうしてもリビングを通過しなければならない。そこで長男が出る時は“今から出るからみんなどいて”と言い、2m以上離れた所で待つようにしていた」。

「何か足りないのか、何が間違っているのかと、“プチパニック”に…」家庭内感染の辛さを経験した女性

 しかし今度は高橋さんの夫が発熱、2日後には感染が判明してしまう。感染が判明したタイミングにずれが生じ、夫が療養施設に入るタイミングで高橋さんが自宅に戻ったため、結果的に家庭内に大人がいなくなるという事態は避けられたものの、家庭内には動揺が広がったという。

 「ニュースで得た情報を元にやっていたつもりではいた。それでも次々に感染していくので、何か足りないのか、何が間違っているのかと思い、“プチパニック”になった。私自身、4.5畳しかない隔離室から出られず、トイレに行くのも気が引けるという状況だったので辛かった。ありがたいことに長女と次女は感染しなかったので、ふすま越しに聞こえる声に元気をもらっていた」。

 1月18日には長男と高橋さんの療養・制限が解除され、1月末には長女・次女が市販の抗原検査で陰性、そして最後に感染した夫の療養・制限も解除された。「それから1週間ちょっと経っているが、長男は後遺症もなく、完全に復帰した。私は味覚・嗅覚はほぼ戻っているが、息苦しさと呼吸の浅い感じが残っている。主人の方も嗅覚は戻り始めているが、味覚がまだ戻っていない」。

■弱い立場の人のサポートの充実を

「何か足りないのか、何が間違っているのかと、“プチパニック”に…」家庭内感染の辛さを経験した女性

 家庭内感染の状況について、感染症対策コンサルタントの堀成美氏は「ケースとしては増えているが、背景にはPCR検査へのアクセスが良くなってきたということがある。前が少なくて今が増えているということではないと思う」とした上で、次のように説明する。

 「家族内で感染しなかった人たちのケースを見ると、同じトイレやお風呂を使ってはいても、会話はLINEのみだったとか、近寄ってさえいなかったという人が多かった。だから高橋さんが生活空間を分けていたのは、とても良かったと思う。ただ、家族であれば一緒に病院に行ったり、一緒に車に乗ったりすることもあるし、家の中でも毎日マスクをて2m以上離れて、というのもなかなか難しいと思う。

 そう考えると、手洗い、マスク、換気、ディスタンスは基本だが、その上で家庭に持ち込まないこと、さらに家庭内での予防策も大事だ。例えば港区のホームページなどでは一般向けに子どもの食べ残しを食べない、コップやスプーンを舐めて使い回しをしないといったことも掲載されている。洗面所のコップも、しっかり洗う。そして具合が悪くなったら、すぐに部屋を分けて距離を取る。そういう行動がノウハウとして広がるといいと思う」。

 また、3日に可決・成立した、罰則を伴う特措法改正については「このタイミングで見直す必要があったことは確かだが、弱い立場の人をサポートしようとしているのかというところには疑問が残る。そのことにより、介護や子育て中の人が検査を受けるのをやめようとか、言わないでおこうと考える人がでてくるようでは困る。これまでもそういう人たちが安心できるようなサポートをした自治体もあった。最近では濃厚接触者になったご家族をケアする訓練のサービス、ヘルパーさんも出てきている。残念ながら、コロナのような感染症は今後も起こりうる。その意味でも、今回のことを機に、そうしたノウハウを蓄積しておくべきだ」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

家庭内感染を経験した当事者が明かすホンネ
家庭内感染を経験した当事者が明かすホンネ