今月4日、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森会長が会見を開き、JOC臨時評議員会における「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」などとした女性に関する発言が国内外で問題視されていることを受け、自らの発言について「オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な発言であった」などとしたうえで「不愉快な思いをされた皆様にはお詫びをしたい」と話し、一連の発言について謝罪、撤回した。
この会見について政治ジャーナリストの細川隆三氏はそのように率直な感想を述べたうえで「老害だと思われたなら掃いてもらえればいいと言ったり、記者に逆ギレしたり、これがまた、いつもの森さん。テレビカメラやインタビューされている記者の後ろに国民が見ているということをあまり考えずに発言してしまう。サービス精神があるところもそう。それで口が滑ってしまう。良くも悪くも素直、正直。思っていても口にしてはいけないことをすぐ、口にしてしまう。思うのは森さんの勝手だが…」と今回の事態に至った要因を推察した。
細川氏の話を受け、千原ジュニアが「周りの人で忠告できる人間はいないのか」と尋ねると「いないですよ」と即答した細川氏は「二階さんだって頭が上がらない。今の政界で森さんに頭が上がる人はいない。ましてや『辞めたらどうか』など、まともに言える政治家はいない」とまで言い切った。その一方、唯一、意見できる人物として名を挙げたのは、すでに政界を引退した元総理の小泉純一郎氏だった。
再び千原ジュニアが「ここまで失言が多いのに、なぜ切り抜けてこれているのか」と素朴な疑問をぶつけると「あまり切り抜けてきてはいない。それなりに批判をされているし、総理だった頃の失言でも支持率は下がったし、挽回することはなかった」と指摘。「菅さんが言えば、菅さんの株も上がるのでは?」と切り返した千原ジュニアの意見に頷いた細川氏は「逆にチャンスだが、菅さんにも言えないのでは」と首を傾げた。
すると国際政治学者の舛添要一氏が「おい舛添くん、菅のやつはあんなことを言っているが、ダメだよ菅は…菅のいうことばかり聞いたらダメだよという感じ。総理であれ何であれ、森さんはほとんどの人を『くん』で呼ぶ。現役だと人事に影響がある。なんでも率直に言うので、みんな黙ってしまう」と例え話を交えて話すと、細川氏は「もし辞めるとしたらご自分からしかない。今のところ、IOCもJOCも、この問題はひとまず結論が出ているというスタンス。森さんが自ら身を引くという判断をされるかは微妙なところ。ただ世論は収まらないだろう」と本音ものぞかせた。
さらに細川氏は「世論も収まらないだろうから森さんとしても、立場的には厳しい。森さんにも自負がある。東京五輪の開催に向けて力を尽くしてきた方というのは事実なので、見届けたいという思いもあるだろう」と続けた。
一連の問題について「森さん以外にまとめきる人がいない」と問題点を指摘した舛添氏は「政界をどう抑えるか、森さんなら、菅でも安倍でもという。財界をどうするか、財界も金出すにあたって、森さんが頼んだら出さないと大変だとなる。スポーツ界についても、JOCの山下会長含めて一切、反抗できない。イベント関係の代理店もそう。この人がいなかったらまとまらない。森さんが名誉会長になって、安倍さんが会長になる。森さん自身も半分は辞めたいと思っているだろうが、みんなが辞めさせない。安倍さんに早く渡したいというのもあったが、桜などの問題があったり、長期政権になったりという話もある」など理由を述べた。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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