スマホ1台で様々なアダルトコンテンツに触れられてしまう時代。誤った性知識を吸収してしまい、性感染症に罹ったり、望まない妊娠をしてしまったりするリスクもある。中でも、アダルトビデオの影響は少なくないようだ。
・【映像】しみけん熱血解説「AVは派手な演出、教科書じゃない」10代の性教育を考える
AVが“お手本”とされてしまっている状況について、「残念だ」と話すのが、AV男優のしみけんだ。「大人に楽しんでもらうために色々なアイデアを出し合い、あのような映像を作っているのであって、大人になりきれていない人たちが真似するのは残念に思う」と指摘する。
「例えば女性の喘ぎ声が大きい=感じているとか、小さい=感じていないというのは誤りだ。人にはそれぞれの声の出し方というのがあるわけで、大人向けのエンターテイメントとして作っているので、“ここでこういう声を出しましょう”という台本がある。音についても、わざと出るような動きをしていて、僕なんか、“もうちょっと音を出そうかな”と、自分のお尻をペチペチ叩いて音を出している時がある。
潮吹きも同様だ。映像として派手さが出るからということでやっている、ある種の芸術。本来は全く必要のないことだし、真似すると嫌われると思う。実際、AV業界に入ってくる女優さんの中には、手で潮吹きをさせられるのが怖いという人、かつてAVの真似をされて怖い気持ちをしたという人もいる。そして女性器はデリケートなので、大人のおもちゃによって激しく傷んでしまうことがある。だから、実はちょっとずらしていたり、浮かせていたり、当てている風だったり。
いずれもモザイクがかかっているからこそできる、大人を楽しませるためのアイデア、手品だ。それをそのままやらないでほしいし、AVは生でやっているんじゃないかと言われることも多いが、避妊具は100%つけている。そして、とにかく激しくすれば気持ちいいと考えている人もいるだろうが、これも男優がそのように見せているだけであって、本当に激しくはしていない。僕はよく“ヒヨコを扱うように”と言っているが、激しくするべからず、だ。そういう意味では、“AVの逆を意識しよう”ということだ。AVの真似をすると嫌われる」。
一方、モザイクで隠れていることによって正しい知識が得られないという意見なども踏まえ、「『しみけんVR』AVで真面目にHow to」などの啓発的な作品も手掛けている。「世の中には本当にデマが多いので、“そういうことをする奴は下手くそなんだぞ”ということを、これからは僕たちも発信していかなければいけないと思っている。作品を見ていただけたらなんとなくわかると思うが、“本当に気持ちのいいセックスというのは、動きが最小限に小さくて、相手を思いやる行為だ”ということ」。
さらにしみけんは「この作品はセックスに特化をしてしまっている大人向けのもの。生物はどうやって生まれて来るのかとか、自分は愛されているのか、といったことも全部ひっくるめて性教育だと思う。お子さんは3~4歳ぐらいから自分に性器がついているということに気づき、生物的な観点で自分はどうやって生まれて来たのだろうと疑問を持つと思う。しかしお父さんお母さんが困った顔をしてしまうと、“これは聞いたらいけないことだ”と子ども心に感じてしまい、ネットに流れてしまうことになる。最初に聞かれた時が最大のチャンスだと言われていて、淡々と“女性のお股には3つの穴があってね。1つはおしっこの出てくる穴、1つはうんちの出てくる穴、1つは子どもが出てくる穴。そこからあなたは生まれて来たんだよ”と、淡々と事実だけを説明することが必要だ。
どうしても大人はそういうことを聞かれるといやらしいこととか、性産業みたいなことに結びつけてしまうが、子どもは単純に生物的な疑問を抱いているだけ。犬とか猫も同じ行動を繰り返して増えていくということを教えてあげるのがいいのかなと思う。その意味では、僕も子どもにも見せられる作品は作っていきたいし、YouTubeを使って“お子さんにこういう質問を聞かれたらこう答えましょう”というHow toをつくりたいなと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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