日常への第一歩となるか。国内で初めてとなる新型コロナウイルスのワクチン先行接種が17日から始まった。東京・目黒区の東京医療センターでは、病院長、医師、看護師ら12人が接種した。
ワクチン接種のスケジュールは、3月から医療従事者、4月から高齢者を予定。その後、基礎疾患などがある人、一般の人といった順に接種予定で、来年2月末までにとしているが、詳細はまだわかっていない。
今後ワクチン接種はどのような流れで進んでいくのか、一般の人が打てるようになるのはいつになるのか。テレビ朝日社会部で厚生労働省担当の岩本京子記者が解説する。
Q.先行接種はどのように進む?
きょう始まったのはほとんどが都心部。きのう発送が始まっていて、あす届く施設が多いようなので、19日に接種を始めるところが多いと聞いている。
Q.副反応の経過はどのようにみていく?
きょうからの先行接種は医療従事者4万人程度が対象になっていて、このうちの2万人程度に健康調査をしていく。SNSなどを使って厚労省が1週間ごとに経過をもらうことになっていて、それを集計した後に、厚労省の専門家たちによる部会で検討されることになる。
Q.東京医療センターできょう12人接種という数は少ないのでは?
東京医療センターでは、病院側の会見があったことなどもあって少なく設定していたのではないか。明日からは1日60人のペースで接種をしていくことになっている。800人が先行接種の対象になっているが、海外では15%近くに38度程度の発熱の副反応があったという報告もあって、800人に一気に打って15%に副反応が出ると120人が休むことになり、病院の通常医療に支障が出るということで、3週間をかけてまず1回目を接種し、また3週間をかけて2回目を打つというスケジュールを組んでいるということだ。
Q.“一般の人”が接種を受けられるのは?
一部の医療従事者に行われている先行接種が終わった後は、約370万人の医療従事者が優先接種を受ける。それが終わるころに高齢者約3600万人、その後に基礎疾患がある約820万人、高齢者施設の従事者など約200万人、60~64歳の約750万人に打っていき、一般の人はその後になる。ワクチンが入ってくるスケジュールにも左右されると思うが、順調に進んでも一般の人は夏ごろだと言われている。
Q.一般の人はどこでワクチンを接種する?
ファイザー社のワクチンは超低温の冷凍庫で保管をしなければならず、保管拠点1カ所につき、例えば地域の小学校の体育館など最大3カ所の接種会場を設けるようにしている。ただ、医師の確保が難しかったり、離島など地理的に集団接種の会場を設けるのが難しい地域は、診療所などを活用して個別接種をできるようにするということだ。