防護服を着る女性医療従事者の“トイレ問題”「水分を控えることも…」 フェムテックへの期待
【映像】ABEMAでみる
この記事の写真をみる(6枚)

 新型コロナウイルスと最前線で闘う医療従事者。その闘いは、常に自分自身の感染リスクと背中合わせだ。

 自身が感染しないために、防護服を着て、手袋を何重にも重ね、長靴を履いて仕事にあたっている医師や看護師。これまでなかなか語られてこなかった問題の1つが、“トイレ”だ。

【映像】水を垂らしても裏側に染みない「吸水ショーツ」股の部分

 トイレに行くときはもちろん、防護服を脱がなければならない。しかし、着ているのは『完全な防護服』。簡単に着脱はできない。

 長年看護師を務める女性は「(防護服を)脱ぐときに感染のリスクがかなり高いので、脱ぐときも(他の人が)ダブルチェックをして脱ぐ」と話す。

防護服を着る女性医療従事者の“トイレ問題”「水分を控えることも…」 フェムテックへの期待
拡大する

「簡単に脱いでトイレに行けないので、水分補給をちょっと控えたり、お手洗いに行ったりするのを控える状況があります。1年前までは当たり前のようにお手洗いに行けていたが、(今は)日常の部分が私たちも制約をされている」

 女性は生理が始まるとトイレに行かざるをえない。生理用ナプキンをすぐに替えられず、最前線で働く女性たちからは経血の漏れなどに悩む声が多く上がっていた。そこで注目されたのが「フェムテック」だ。

防護服を着る女性医療従事者の“トイレ問題”「水分を控えることも…」 フェムテックへの期待
拡大する

 「フェムテック」とは「女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決する製品やサービス」のこと。今回、フェムテック製品を扱う企業などが「少しでも生理中に生じる心理的・肉体的ストレスや不安を解消できれば」という思いから、生理の際に一枚で履けてトイレに行く手間を大幅に軽減できる「吸水ショーツ」を全国の医療機関に寄付するべく立ち上がった。

 クラウドファンディングを行った結果、集まった支援金は550万円。この支援金によって、2300枚もの吸水ショーツを用意することができた。25日までに、13都道府県にある32箇所の医療機関に届けられたという。

 今回、特別に医療従事者向けに無償提供される「吸水ショーツ」を見せてもらった。

 吸水ショーツの形のポイントは股の部分。実際に水を用意し、垂らしてみても、裏側にはまったく染みていない。高い吸水性を持った生地が、何層にもわたって重ねられているのだ。

防護服を着る女性医療従事者の“トイレ問題”「水分を控えることも…」 フェムテックへの期待
拡大する
防護服を着る女性医療従事者の“トイレ問題”「水分を控えることも…」 フェムテックへの期待
拡大する

 実際に吸水ショーツが届いた医療機関の看護師は「吸水ショーツを寄付してもらえること自体にうれしさと驚きがあった」と明かす。

「(生理用)ナプキンを替えてっていうタイミングもそうなんですけど、やっぱりそれ(生理用ナプキン)をつけて防護服を着ると、蒸れもものすごくつらい。(経血が)漏れることを気にしなくていいのは、女性としても嬉しいですし、(生理中)気楽に過ごせるんじゃないかなと思った」

防護服を着る女性医療従事者の“トイレ問題”「水分を控えることも…」 フェムテックへの期待
拡大する

 新型コロナ医療の最前線で働く女性たち。少しでも負担を軽減するためのテクノロジーに期待がかかっている。

ABEMA/『ABEMAヒルズ』より)

【映像】新型コロナ最前線で働く女性医療従事者に「吸水ショーツ」を寄付
【映像】新型コロナ最前線で働く女性医療従事者に「吸水ショーツ」を寄付
この記事の画像一覧
この記事の写真をみる(6枚)