選手たちは「開催したい」という思いをもっと主張すべきだ 鈴木大地・前スポーツ庁長官と橋下氏が訴え
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 27日夜のABEMANewsBAR橋下』に、日本水泳連盟会長、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事も務めた鈴木大地・前スポーツ庁長官が出演。橋下徹氏とともに、橋本新会長に期待することや選手の本音、オリンピックのコロナ対策などについて語り合った。

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 組織委の森会長の後任として名前が挙がったことについて、「打診は全く無かったため、テレビや新聞で自分の名前が出ていて驚いた」話す鈴木氏。橋本聖子新会長については「政治の世界も長いし、スポーツもずっとやられていて、いろんな協会の会長さんとか役員もやられていて、やはりよくスポーツ界のことをご存知だと思うので適任だと思っている。私は年齢も近いし、仕事上での付き合いもあるが、年下の方からは“姉御”という感じだし、森前会長が“娘だ”なんて言っていたように、年配の方も含め皆さんに慕われていると思う」とコメント。

 その上で「もちろん橋本会長が全てを決めるわけではないが、ご自身の中では“オリンピック・パラリンピックはやる“と考えてらっしゃると思う。では、次にどうしたらいいか。今、開催については国民からの支持率が低い。そのイメージを変え、開催に向けて気運を作ろうとしているのではないかと想像する」との見方を示した。

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 橋本会長は2月25日、室伏広治・スポーツ庁長官と会談、観客数の上限について今月25日前後までに方向性を示す方針であることを明らかにした。さらに今月3日には、東京都とIOC=国際オリンピック委員会と開催方法についての協議を実施する方向だ。

 鈴木氏が「当然のことだが、まずはコロナ対策をしっかりやらなければ、皆さんが応援してくれないし、選手も“出てもいいのかな”とモヤモヤしてしまう。例えば観客数を減らしたり、国内の観客だけにしたりとか、シミュレーションを踏まえ、感染者の状況を見ながら臨機応変にやっていくと思う」と話すと、橋下氏は次のように疑問を呈した。

 「同調圧力、あるいは世の中への配慮からか、選手の皆さんがオリンピックをやりたい、という気持ちを出せない今の状況がかわいそうだと思う。ここまでオリンピックを目指し人生を賭けてきた選手たちはやりたい一心だと思う。“国のことを考えていないのか”と批判は出るだろうが、“ぜひやらせてください”と言った方がいいのではないか。その気持ちを表に出せない今の状況はかわいそうだ。ここは裁判と同じで、感染症の専門家は感染の専門家の視点で、経済の専門家は経済の視点で、選手は選手の視点で、それぞれが自らの立場で主張すればいい。最後は政治家なり会長なり、しかるべき人たちが判断をするわけだから。そして、もちろん何が正解かは分からないが、この状況でも開催できる方策を一生懸命考える、知恵を絞り出すというのも、人類が成長するための一つの過程だと思う。フルの観客数はもちろん、開催も無理なのかもしれないけれど、ギリギリまで探ってもらいたい」。

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 鈴木氏も「聖火ランナーを辞退する方が出てきているが、じゃあ選手がどう考えているのかといえば、やっぱりやりたいと思っているはずだ。だから私も、選手はもっと“やらせてくれ”と主張した方がいいと思っている。そうでないと、“じゃあ、誰がやりたいの?おじさんたちでしょ?という話になってしまう。ただし、併せて“こういうものを社会に還元するから”という話し方をしていくべきだとも思う。交付金によって強化がなされているので、強くなって有名になって終わり、ではなく、そこから社会に還元するという姿勢もセットだ。それをしっかり発信することで、少しずつ“あ、そうなのか”と皆さんの気持ちが変わるかもしれない。歴史上、我々には様々な困難があった。そこで皆が元気を出すのがスポーツだったと思う。第2次世界大戦で焼け野原になった後、“もう一度頑張ろう”と思えたのが古橋廣之進さんなど、水泳の先輩の活躍だったと思う。阪神淡路大震災の後もオリックスが頑張った。東日本大震災の後も楽天が頑張った。大変な思いをしている人たちに寄り添いながら、何か策はないか探っていくべきだ」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

橋下徹×鈴木大地 五輪開催の行方...初代スポーツ庁長官と語る
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